第1回 マグネシウムの発見

マグネシウムの発見は、1808年英国王立研究所の化学者Sir Humphry Davy(1745-1827)が不純なマグネシウムを得たというのが定説になっています。

H・Davyは、明ばん石から電解法によって金属アルミニウムの分離に挑戦したときに、金属カリウムや金属ナトリウムなど他金属の存在を確認し、そのあと金属マグネシウムの抽出に成功しています。

資源

マグネシウムのクラーク数※1は8番目であり、地表および海水に広く多量に存在します。
天然に遊離状態では産出しませんが、精錬が出来れば世界中どこでも枯渇することがありません。

みょうばん石、菱苦土石、苦灰石(ドロマイト)、滑石、カーナル石、輝石、角閃石、蛇紋石、その他地表に存在する多くの鉱石に含まれています。
また、金属として非常に貴重なことであるのは、可溶性塩類として海水,鉱泉などにも含まれていることです。
海水からの効率的・経済的な抽出技術が出来たことにより、マグネシウムの供給は事実上無限と考えられます。

マグネシウムはまさに地球からの贈りものと言えます。後段で述べますが、マグネシウムは人を含め地球で生きている動植物にとって必須元素の一つです。成人に相当量ふくまれ、たんぱく質、核酸、骨格、神経、体液などに分布し、脳と甲状腺機能維持に重要であるし、植物には光合成色素であるクロロフィル(葉緑素)の中心にマグネシウムが存在しています。

※1)クラーク数

地球上の地表付近に存在する元素の割合アメリカ地球化学者Frank Clarkeによる科学上の学説の一つ多い順に示す

1)酸素 2)ケイ素 3)アルミニウム 4)鉄 5)カルシウム 6)ナトリウム 7)カリウム 8)マグネシウム 9)水素 10)チタン

以下主な元素
14)炭素 16)窒素 24)ニッケル 25)銅

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