~ 待ったなし! 企業の世代交代の悩みと対策 ~

【第1回】二代目社長がもっとも辛いこととは(組織編)

 

皆様はじめまして。私、中央人事総研の大竹と申します。
組織活性化および社員のモチベーションアップを仕掛ける人事制度設計が得意で、現在は経営及び人事コンサルティングに従事しております。
今回から定期的に、NCネットワークの会員企業様に少しでもお役に立てるような情報を発信して参りたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。

さっそく本題ですが、最近顕著にご相談が増えているのが二代目、三代目の社長さんからです。代をバトンタッチして数年、なかなか思うような経営ができていないようです。特に社員との関係作りです。今から少し具体的に見てまいります。

2代目社長さん、代を引きついだ時は、いろいろやる気になっており「よっし!俺は俺流でいろいろ頑張るぞ」と思って、いろんなことに挑戦しようとします。しかし、会議でいろんな問題を議論しようと思ってもなかなか意見が出ないことがよくあります。

「どうして意見が出ないのか、会社を良くしようとは思わないのか」と心の中で思ってみたり、「どうして言われたことしかやらないのか」と社員のことを不満に思ったりするのです。また、何かを決めようとすると、決まって先代からいる古参社員が何かとすぐに反発するとか、いろんな苦労があるようです。これでは、せっかく自分が社長になっても、「俺はこのままで本当に経営者としてやっていけるのだろうか」と段々と不安になります。なかなか先代の社長には相談しづらいし、どうしたらいいのかと毎日ひとりで悶々と悩むようになります。

 

自分と同じ方向で考えてくれる社員がいれば嬉しい

私はよく思うのですが、こういう時にこそ一緒に会社のことを真剣に考えてくれる社員がいれば、2代目社長はかなり力強いと思います。自分が今考えていること、例えば将来こんな事業を新たにやっていきたい、社員にはこのように待遇を良くしていきたいとか、いろんなビジョンや夢を一緒に語り合える社員がいたら、2代目社長はもの凄く心強いですよね。一緒に自分の会社を成長させたいと思うわけです。

 

2代目社長の右腕の存在

ズバリ、その社員とはナンバー2の存在です。このナンバー2、つまり社長の右腕となる 人財がいるかどうかで、企業の成長は大きく変わります。特に中小企業は、社長一人の人間力でぐいぐい引っ張ってきた会社が多いと思います。しかし社長が万が一倒れたり、何らかの原因で会社に来られなくなったりしたら、会社は危機的状況に追い込まれることになります。世の中、何が起こるか分からないのです。ですから、社長をサポートするナンバー2の存在が必要不可欠なのです。皆様もご存じの通り、松下電器(現パナソニック)には、高橋幸太郎氏がいたからこそ業界トップに立つことができたと言われています。

ということで、2代目社長にとって大変重要な課題は、この「ナンバー2を作ること」なのです。ただ、すぐには作れません。時間がかかります。しかしそういう人財がいれば、社長も元気が出て、将来に向かってのビジョンも彼と一緒にドンドン出せるでしょう。

それでは次回のコラムに続きます。

(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀

 
 
 
 

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