第13回 製造業 なぜ社員は経営計画に関心が少ないのか

 

お元気ですか。中央人事総研の大竹です。組織活性化および社員のモチベーションアップを仕掛ける人事制度設計が得意で、
中小製造業のクライアントの問題解決のために日々奔走しております。最近、多い相談の中で、
「なぜ、うちの社員は経営計画に関心が少ないのか」なのです。
製造業の皆さんにもとても参考になる事例です。 今回も よろしくお願いします。 (執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀 )

社長は熱心に作る経営計画だが・・・

さて、もう9月です。3月決算であれば、5か月の経過です。時間が立つのも早いものです。
何を言いたいのかというと、「皆さんの会社の経営計画は、あなたの思い通りに、進んでいますか?」ということです。
経営計画はどこの会社も社長が一番 熱心です。前期の反省をして、今期は「売上を120%アップだ」
「これとこれを絶対に達成したいと!!」「今期は不良率を○○%にダウン」「新しい製品を作るぞ」とか
熱い思いが計画の中には入っています。
その内容を経営方針で全員の前で熱くたぎる思いを社長が社員に伝えきる・・・。
終わった瞬間、社長は心の中で「社員が喜んでくれたに違いない」と思っている社長さんは多いと思います。
今回はうまく行きそうだ、内心 安心されていると思います。

しかし、1か月、2か月・・・4か月経過しても社長が会議で幹部に「あの新製品の件はどうなった」
「○○の改善の進捗は」と言っても「いや、今忙しくて全く手を付けられないのです」
いろんな出来ない理由を社長が聞かされるのです。
社長は「なぜだ!! あんなに経営計画の発表では社員はあんなにうなずいてくれたのに・・・。」
「俺の伝え方が悪かったのか・・・」
しかし、なぜか社員の関心事は薄いのです。

他人事から自分事へ


皆さんの会社ではこんな事が起こっていませんか。
大竹もこの経営計画の件で、相談はしばしば経営者の方からあります。 
経営計画が社員に浸透しない、計画が思うように進まないという問題です。 

大竹はこの原因をこう考えます。
いろいろな原因はありますが、社員がこの「経営計画」を他人事と思っていることだろうと思います。

つまり、経営計画は自分には関係ないのだと。もちろん、すべての社員がそうではありませんが。
社員によって、その強弱はあります。温度差があるということです。

人は他人事では、自分から行動しようとはできません。
自分にとって、興味や関心がないと動こうとはしません。
行動しても自分にとってのメリット、デメリット(物的、精神的)
感じられないとなかなか行動に踏み込まないですよね。

反対に、自分事であれば、何とかしようと行動をし始めますよね。
例えば、
「このままではまずい。何とかしなくては」
「自分のボーナスがなくなる」
「もう少しでうちの課の目標が達成するぞ。頑張ろう」
「あの大変なプロジェクトを良い結果で終われそうだ」
「この新しい仕事、自分の経験、能力が活かせるらしい。ひとつ頑張ってみるか」

計画の段階とそのあとの運用が大事


では社員を自分事にするには、どうしたらいいのか。皆さんの会社の経営計画を各人がやることで、
あるいは達成する(しない)ことで何らかの変化が起こればいいのです。

先ほど言いました、
○やることで自分にプラス(もっとやりたい)
○やらないと自分にマイナス(このままではまずい、やばい)という状況を作りだせばよいのです。

そのためには、経営計画を作る段階と作った後の運用段階で、いかに社員を巻き込むかどうかなんです。
両方が必要です。

これが出来ている会社とそうでない会社では経営計画の運用にも差が出てきて、業績にも大きく違いが
出てきます。

今回のキーワードは、「他人事から自分事へ」でした。
次回は、社員をどう巻き込むかについてお伝えしますね。

 

(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀

 
 
 
 

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