第11回 企業活力強化資金-資金調達

ものづくりに取り組む優れた中小企業に対して、法的措置や予算措置、金融措置等により、様々な支援があります。企業活力強化資金制度とは、「ものづくり基盤技術」の高度化への研究開発等に取り組むために資金を必要とする中小企業が融資を受けることができる制度です。

1. 対象者

中小企業のものづくり技術の高度化に関する法律に基づき、経済産業大臣から「特定研究開発等計画」の認定を受けた方で、かつ下記(ア)~(ウ)のいずれかの要件を満たす方が対象となります。

(ア) 最近の決算において、赤字又は債務超過。
(イ) 最近における売上高、純利益又は売上高経常利益率が、前年同期又は2年前若しくは3年前の同期に比し減少している。
(ウ) (ア)や(イ)と同様に、困難な経営状況にある。

<特定研究開発等計画>
特定ものづくり基盤技術高度化指針に基づいて、中小企業が自ら行う特定研究開発の計画書のことです。まずは、最寄りの経済産業局に問い合わせる必要があります。

2. 支援内容

将来の一時的かつ支給の資金ニーズに備えるため、信用保証協会の債務保証付融資を予約する制度です。

(ア) 融資限度額
直接貸付 7億2,000万円(うち、運転資金2億5,000万円)
代理貸付 1億2,000万円
<代理貸付>
民間の金融機関を通じて、当該制度を日本政策金融公庫に申し込む方法です。

(イ) 融資利率
2億7,000万円まで(土地に係る資金は除く) 特別利率③
2億7,000万円超  基準利率
なお、特別利率③及び基準利率は、下記HPアドレス「貸付利率表」ご確認下さい。5年経過ごと金利見直し制度を選択できることに留意が必要です。
HPアドレス:http://www.c.jfc.go.jp/jpn/topics/base.html

(ウ) 融資期間
設備資金 20年以内(うち据置2年以内)
運転資金 7年以内(うち据置1年以内)

(エ) 保証人
申込人が法人の場合には、代表者が保証人となる必要があります。
ただし、直接貸付において、一定の要件を満たす場合については、代表者の個人保証を免除又は猶予する制度もあります。

3. 利用方法

 直接貸付の場合、日本政策金融公庫各支店の中小企業事業の窓口
 代理貸付の場合、日本政策金融公庫中小企業事業の代理店の窓口
に申し込む必要があります。

4. 問い合わせ先

株式会社日本政策金融公庫 中小企業事業
東京相談センター 03-3270-1260
名古屋相談センター 052-551-5188
大阪相談センター 06-6314-7627
福岡相談センター 092-781-2396

執筆者紹介
大井 宏明(おおいひろあき)

株式会社ルーキー
代表取締役社長

公認会計士。慶應義塾大学経済学部卒業。1999年から監査法人トーマツにてベンチャー企業の株式公開支援業務、法定監査業務、その他各種コンサルティング業務に従事。2005年末に監査法人トーマツ退社後、2006年初から上場準備企業の取締役CFOに就任し、上場準備業務の統括責任者となる。2008年株式会社ルーキーを設立、代表取締役社長に就任。経営戦略立案や社内体制整備等の各種コンサルティング業務を実施している。
株式会社ルーキーホームページ:http://rookie-japan.com

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