CAD/CAM座談会・第4弾~自動車メーカー編~

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CAD/CAMは製造業にとって、もはや欠かせないツールとなった。
しかし、利益を左右するまでに重要度を増したCAD/CAMの利用技術は個人のスキルに委ねるところが大きく、技術者の育成は急進する大きな課題である。
CAD/CAMの利点もしくは問題点といった光と影の二つの面について、日本自動車工業会の3D図面標準化ワーキンググループの方々にお話を伺った。

はじめに、それぞれの会社さんで使っておられるCADを教えてください。

永井 :

CATIAのV4を使っていますがこの2~3年でV5への移行を進めており、今、V5で作図した図面データの出図が始まっています。

河野 :

これまで統合CADを使っていましたが、今はCATIA V5、Pro/Eに切替え中です。

篠崎 :

現状I-deasを使っていますが、今後NXへの移行を予定しています。

三隅 :

CATIAのV4を使っています。V5は試行中です。

「3D図面標準化ワーキング」では、どのような活動をされているのですか?

永井 :

我々ワーキングは3つのタスクで構成しております。①2Dと3Dの組み合わせのガイドライン及び3D単独図スタンダードの作成と制定、②伝達ツールの一つとして重要なビューワーの機能要求及び、3D図情報をいかにして有効に使うかというガイドラインの作成、③3D単独図を作図する為のCAD機能要求及び、サプライヤーさんと業界をターゲットにしたワーキング活動全体の普及展開対応、以上の活動をしております。

3D図面を標準化しようとされた理由をお聞かせいただきたいのですが。

永井 :

どの会社も図面の3D化は自社内で進めていたとは思いますが、3D図面をメーカーさんに出す際に各社で違いが出てきてしまいます。そこで自工会としても標準化して、またそれが世界でも標準化できれば、OEM、部品サプライヤーさん及び、型メーカーさんと関連する領域で、図面情報の伝達不備による混乱が無くせると考え、今に至っております。

岩壁 :

なるほど。今は図面とCADが混合している状況ですよね。

島田 :

2D図面はどこの会社が描いてもそれほど変わりませんが、それに3Dが加わったときにいろいろな組み合わせの図面が出てきます。これを標準化した3Dと2Dのガイドラインを2004年7月に発行しました。素材面は3Dで機械加工面は2D図面で表すだとか、2D図面と3Dの役割を明確にして組み合せる出方法を推奨しています。

三隅 :

3D化の状況は各社ばらつきがありまして、2D主体のところが6割。3Dと2Dを組み合わせている会社さんはそのガイドラインを使っていただいております。

これから3D単独図のガイドラインも出てくるのでしょうか?

島田 :

来年の2月を発行予定として、現在作成しています。

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座談会参加者一覧( 敬称略 )

コーディネーター

株式会社
日本デザインエンジニアリング

株式会社日本デザインエンジニアリング 代表取締役 岩壁 清行

代表取締役
岩壁 清行

本田技研研究所
四輪開発センター

開発推進BL CIS3グループ

株式会社本田技研研究所 四輪開発センター 開発推進BL CIS3グループ 主任研究員 永井 昭良

主任研究員
永井 昭良

株式会社本田技研研究所
四輪開発センター

開発推進BL CIS3グループ

株式会社本田技研研究所 四輪開発センター 開発推進BL CIS3グループ 主任研究員 島田 宏美

主任研究員
島田 宏美

日産自動車
株式会社

R&Dエンジニアリング・マネージメント本部
技術情報マネージメント部
技術情報マネージメントグループ

日産自動車株式会社 R&Dエンジニアリング・マネージメント本部 技術情報マネージメント部 技術情報マネージメントグループ アシスタントマネージャー 篠崎 哲 (ワーキンググループ副リーダー) (ワーキンググループ副リーダー)

アシスタントマネージャー
篠崎 哲
(ワーキンググループ副リーダー)

ダイハツ工業
株式会社

技術管理部
技術情報室

ダイハツ工業株式会社 技術管理部 技術情報室 係長 河野 俊幸

係長
河野 俊幸

三菱自動車工業
株式会社

管理本部 開発・製造IT部

三菱自動車工業株式会社 管理本部 開発・製造IT部 図面管理 三隅 四郎

図面管理
三隅 四郎

バックナンバー

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