CAD/CAM座談会・第4弾~自動車メーカー編~

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標準化や普及に対して、どのようなご苦労がありますか?

島田 :

3DCAD機能が進化したことで、寸法や公差等のアノテーションを2Dではなく3Dで指示ができるようになってきましたが、それをユーザーさんに解りやすく見せる方法を考え、標準化することに苦労しました。

河野 :

3D化に関しては、これからの時代には必要だという認識は各社さんあるのです。しかし、まだ様子を見ているという感じもあり、普及を進めていくには何かはっきりとしたメリットを示さなければなりません。3D移行にはそれなりの費用と時間がかかりますが、成果がきちんと提示できれば普及も進むと考えておりますので、それをどう示していくか、悩みながらやっているところです。

永井 :

3D主体を呼びかけても、設計者やサプライヤーさん、それぞれ関わる人がメリットを見出さないと普及は難しいです。設計・作図効率は上がったので、今後はサプライヤーさんに理解していただき、実物を流しながらトライをしていく必要があります。

今後、データを受取る側が予測しておくべき心構えなどはありますか?

河野 :

あらためて言うまでもありませんが、サプライヤーさんの持っているCADが限られているので、必ずデータ変換の問題が発生します。その際に、我々がやろうとしている3D単独図のアノテーションまで見られるかどうかが重要です。サプライヤーさんはデータをCADに取り込まなければならない場合もありますから、いかに変換がうまくできるかが大きな課題です。データの授受についてはプロセスから考えていく必要があると考えております。

岩壁 :

まだまだ、データのやりとりに関しては問題がありそうですね。

例えば電機関係など、他の業界ともデータが統一されるということはないのでしょうか?

河野 :

自工会ではまず各社内、それから業界、次に他業界との統一を目指して活動をしています。他業界にも自工会のようなワーキングがあれば、交流会などをして一緒に活動をしていきたいですね。

これからどのような活動をされていかれますか。

河野 :

最初この活動に参加した時、3D化は当然だというように考えていましたが、2年くらい活動してきた中でいろいろな人の立場から「3Dの本当のメリットは何だろう」と深く考えるようになりました。それは悩みでもあり、刺激的なことでもあります。今は大変ですが、何年か後には「やってよっかた」と思えるような活動だと思っています。

岩壁 :

ワーキングの活動は中小製造業にとって非常にインパクトがあります。今後もデータを受け取ってモノをつくる側のことも視野に入れていただき、大変なご苦労があることとは思いますが、良い結果を出されるよう期待しております。

参照サイト

社会法人 日本自動車工業会(JAMA)

社団法人自動車工業会ホームページでPDQに関わる活動資料などをご覧いただけます。

座談会参加者一覧( 敬称略 )

コーディネーター

株式会社
日本デザインエンジニアリング

株式会社日本デザインエンジニアリング 代表取締役 岩壁 清行

代表取締役
岩壁 清行

本田技研研究所
四輪開発センター

開発推進BL CIS3グループ

株式会社本田技研研究所 四輪開発センター 開発推進BL CIS3グループ 主任研究員 永井 昭良

主任研究員
永井 昭良

株式会社本田技研研究所
四輪開発センター

開発推進BL CIS3グループ

株式会社本田技研研究所 四輪開発センター 開発推進BL CIS3グループ 主任研究員 島田 宏美

主任研究員
島田 宏美

日産自動車
株式会社

R&Dエンジニアリング・マネージメント本部
技術情報マネージメント部
技術情報マネージメントグループ

日産自動車株式会社 R&Dエンジニアリング・マネージメント本部 技術情報マネージメント部 技術情報マネージメントグループ アシスタントマネージャー 篠崎 哲 (ワーキンググループ副リーダー) (ワーキンググループ副リーダー)

アシスタントマネージャー
篠崎 哲
(ワーキンググループ副リーダー)

ダイハツ工業
株式会社

技術管理部
技術情報室

ダイハツ工業株式会社 技術管理部 技術情報室 係長 河野 俊幸

係長
河野 俊幸

三菱自動車工業
株式会社

管理本部 開発・製造IT部

三菱自動車工業株式会社 管理本部 開発・製造IT部 図面管理 三隅 四郎

図面管理
三隅 四郎

バックナンバー

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