特集:「食」のものづくり

株式会社 タダシ製作所

株式会社 タダシ製作所

先見の明で新領域にチャレンジ

株式会社 タダシ製作所

1970年に運搬機器部品の製造や加工会社として創業したタダシ製作所は、その後、樹脂成型装置の部品、半導体製造装置の設計や組立で技術力を伸ばし、2008年には更なる新事業に果敢に挑戦。魚体処理装置の設計と組立を開始した。

折しもリーマンショックのために、外食産業もそれまでの成長が鈍化した一年ではあったが、長期的に日本が抱える少子高齢化による人口構造の変化や介護食業界等の骨のない魚に対する需要という下支えがあり、その後は確実に売上を伸ばしている。

魚の骨抜きは、通常アジア各地の安い労働力により、手作業で加工されている。特に骨が細かいアジやサンマといった魚は、人の目で見て骨をピンセットで引き抜いていく。食べ物の味や鮮度を損なわず輸送し加工するのは、足の早い魚類の加工において大きな課題だった。

株式会社 タダシ製作所

省電力・高速処理を実現

株式会社 タダシ製作所
TF-701H & 701Sさんま

同社がそれまで得意としてきた半導体装置では、高度な部品加工精度や組立精度が要求される。ここで培われてきた部品加工技術・組立技術・調整技術を水産加工機械に結集することにより、魚体処理精度が非常に高い機械を生み出すことに成功した。その結果、魚肉加工で無駄が少なく、切り口もきれいに仕上がるため、見た目だけでなく、鮮度や衛生といった食品で重要視される諸条件を克服している。

また、魚にはいろいろな種類がある。それぞれ長さや厚み、大きさが違う。そして、食べ方によってさばき方も違う。

株式会社 タダシ製作所
TF-600あじ

同社の機械では別表であげたように、不揃いな大きさの魚でもさまざまな形に加工することができる。かぎ開き、二枚開き、三枚下ろしはもちろん、アジの硬い鱗ゼイゴ取りや、鯛の3枚下ろし機も製造している。鯛に関しては、特に高い歩留まりが要求されるが、それを解決し商品化にこぎつけた。鮮魚、冷凍魚に係わらず処理が可能で、処理速度は、人間とは比べ物にならないほどの高速で正確だ。これはインバーター調整により、スピードと省電力、また歩留まりも同時に実現した工夫で、同社が誇る他社にはない高付加価値と言えるだろう。

これからの挑戦

水産加工機だけでなく手羽先骨抜き機も最近ラインナップに加わった。ユーザーのさまざまな声に耳を傾け、機械の改良を続けてきた同社だが、今は魚の中骨抜き機を開発している。中骨は場所によって向きが違い、またしっかりと骨が身にくっついている。ユーザーが望むスピード、省電力。歩留まりの実現まで後少しです」と社長の下浦氏は語る。

同社は「ものづくりを通して、人と社会を豊かにする」という経営理念のもと、これからも日本の食卓を支えるための挑戦を続けていく。

 

株式会社 タダシ製作所

設立

1970年

所在地

〒552-0013 大阪市港区福崎3丁目1番100号

TEL

06-6573-0453

FAX

06-6574-1535

URL

http://www.tadashi-s.co.jp/

事業内容

半導体製造装置、産業用機械、自動機械の設計、製造、組立、加工。

 

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