特集:リクルート・教育

一般社団法人日本能率協会

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海外赴任者を取り巻く環境

一般社団法人日本能率協会
チームごとに課題解決の方策を探るワークも充実

日本能率協会(JMA)は、1942年の創立以来、工場の生産効率を上げるための支援事業を行い、主に、人材育成、産業振興、ISO審査登録の3分野の活動を柱としている。

また近年では、日本製造業の海外進出が加速する潮流を受けて、ASEANを中心としたアジア地域での事業を強化している。具体的には、日本およびアジアの優れた工場マネジメントを表彰する「GOOD FACTORY賞」や、タイの日系工場の第一線で活躍する現場リーダーによるマネジメント事例発表会、ASEAN地域の政財界のリーダーとの交流などを開催し、日本製造業が世界市場で勝ち残っていくための支援を行っている。

海外工場に赴任する人は技術指導ができる人であることが多いが、中小企業の場合は、国内でもマネジャークラスは少数精鋭のため、現地に赴任する人数の余裕もなく、本社からの助っ人も出張ベースで常駐ではないことが多い。そのため現地で特に問題とされるのが、管理者不在時に産・品質のバラツキが出るなどの問題だ。また、海外ではじめて量産工場をつくる場合など、日本の本社に運営ノウハウがない中で重責を任される人も多い。

そして、かつてのように経費削減のための工場移転ではなく、新規の顧客開拓やローカル企業との協業が進出の前提となっており、先に進出した工場ではローカルスタッフが管理職として育っているなど、日系企業を取り巻く環境も大きな変革期を迎えている。

サプライチェーン全体を見る「地頭」を作る

一般社団法人日本能率協会
最終報告会では、チームごとにプランをプレゼンする

同協会では、製造業を応援するさまざまな講習を行っているが、近年人気があるのは「生産革新プロフェッショナルコース」だ。このコースは、特に海外の工場における品質管理も含め、サプライチェーンの全体を上流から下流まで俯瞰し、改めて「ものづくりの流れ」を正しく理解して、生産革新を実現していくことを目的としている。

受講生は大企業から中小企業までと幅広く、主に生産・製造部門のマネジャーやリーダーが中心となっている。講師は、現場カイゼンの経験が豊かで日系企業の海外展開にも明るく、受講内容には事例演習が多く取り入れられている。受講生同士で現場の課題、ライン設計の考え方や経験談などがシェアされ、普段は聞けないような踏み込んだ話が聞けることも魅力のひとつだ。

また、事例研究では、追い上げが著しい新興国勢力の取り組み事例と日本企業を比較する内容もあり、これからの日本製造業が世界をリードし続けていくための競争力強化を考える上で、世界の製造業を大局的に見ていく素地を学ぶことができる。

また、コース終了に際しては「生産革新プロフェッショナル(I E士)」取得試験がある。この資格では、自社の強み、エンジニアリングチェーン、サプライチェーン全体の流れを正しく捉えて、生産革新を実現するための行動が起こせるリーダシップをもった人材の育成を目指す。

こうした取り組みを通して、同協会は、ものづくりプロセスの「カナメ」機能を強化する支援を行っている。

一般社団法人日本能率協会

所在地

〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22 日本能率協会ビル

TEL

03-3434-1410

URL

http://www.jma.or.jp

E-mail

seisan@jma.or.jp

設立

1942年

 

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