昔ながらのシャトル式織機で織る本格派の前掛け

いまから約100年前に作られ、日本の近代化を支えた機械が、
いまだに現役で活躍しているところがあります。


エニシング


日本の伝統である「前掛け帆布」を昔ながらの製法で作る有限会社エニシングは、
伝統を継承しながら、古くて新しい商品を発表することで、新たな価値を創造しています。

当社は、本社が東京、工場は愛知県の豊橋にあります。
豊橋工場は、2019年6月に竣工。
現在、その中には、合計9台の自動織機が並んでいます。

なんと、最も古いものは1917年に製造されたトヨタN式織機で、
すでに100年以上の歴史をもちます。





えっ?動くんだ。
トヨタさんの博物館では、動いてるところを見たことあるよ、という人もいらっしゃると思います。
博物館に置かれている自動織機も、きちんとメンテナンスされていて、動くんですよね。
トヨタさんは、こうした古い機械でも、ちゃんと使い続けられるように、
部品の供給やメンテナンスができるのが、さすがですよね。

でも、ここでは、単に動くだけではなく、実際に帆布を織り、
それが商品となって全世界へと旅立っています!
動くどころか、バリバリの現役なんです!

動力も、ちゃんと100年前の方法そのまま。
天井の輪を回すことによって、それに繋がっている支柱が回転し、
支柱にベルトで繋がったすべての機械を動かしていきます。

電源を気にせず、台数の調整もできるこのしくみは、
電力の供給が貴重だった時代の知恵ですね。


エニシング


きっと、この織機を作った100年前の先達たちは、
当時主要な輸出品目だった繊維製品を作り上げる織機に、
日本の永続的な繁栄を託したに違いない!
「ものづくり日本」の心が込められた機械が動く姿に、胸が熱くなります。


エニシング


社長の西村さんは、某大手菓子メーカーから脱サラして2000年に当社を創業。
当初は、海外からの観光客に向けて、漢字Tシャツを製造・販売していました。
2002年の日韓共催FIFAワールドカップで、訪日観光客が増えたことが後押しとなったそうです。

その後、西村さんは、日本の伝統である前掛けの魅力を再発見しました。
前掛けは、腰を守るという実用性だけでなく、屋号の広告を兼ね備えていて、
世界的にも類を見ない、日本独自の文化なのだそうです!
そう言われてみれば、ですよね。

2004年に、帆前掛け商品を発売。
その翌年には、帆前掛け専門店エニシングをオープンしました。


エニシング
▶︎ 有限会社エニシング 公式サイト


この伝統の技術を受け継いだのは、20代と30代の若手3名。
埼玉県羽生市の小島染織工業と愛知県豊橋市の芳賀織布工場の機織職人芳賀さんの協力を得て、
技術をしっかりと継承しました。

「この先、30年、50年と使ってもらえる」という期待から、
トヨタグループからも織機が寄贈されました。


エニシング


お母さんの手の温もりがつまった「おにぎり」や、職人さんの心がこもった「握り寿司」が、
やっぱり何よりも美味しく感じるように、
丁寧に作られた、昔ながらの「1号帆布」で作った前掛け。

やわらかくて厚い布を織るためには、今の機械では速すぎてダメなんだとか。
昔ながらの方法で丁寧に縦糸をそろえ、
そして当時の機械で、ごとごとと織って初めて実現できるぬくもりです。


エニシング


色は、昔ながらの染めとプリントがあり、
染めだと色移りの心配などがある場合には、プリントを利用するとか。
新旧の技術のいいところをうまく融合していますね!

もちろん、セミオーダーでの依頼が可能で、オリジナルの柄にできるので、
海外へのお土産に利用される会社や学校もあるそうです。

そう。日本のよさは、わたしたち日本人より、欧米人の方が知っている?!のかもしれません。
日本国内の有名百貨店だけでなく、ニューヨーク、バルセロナ、ロンドン等で前掛け展を開催。
アメリカのジーンズブランドへの生地の卸しや、
世界的な発信力があるロンドンの雑貨店レイバーアンドウェイトでも商品を卸しており、
なんと、あの大英博物館のミュージアムショップとの取引も開始しています。
もちろん成田空港など国際線ターミナルでも、お土産物として大人気なのです!

でもやっぱりその良さは、自分で手に取ってみないと!ということで、
前掛けと同じ生地で作ったカバンを購入してみました。

軽くて丈夫、色もよい!
そして、見せた人がみんな「いいね、これ!」と言ってくれる。

本当の満足とはいったいどんなことかを、改めて教えてもらいました。


▶︎ 有限会社エニシング 公式サイト

▶︎ 前掛け専門店エニシング 楽天店




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