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SCM440の調質硬度範囲と材質設計変更について
2023/10/18 21:28
- 外径2600のベベルギヤーの更新に伴い、材質の設計変更を検討中です。強度上の問題は解決済みで、歯切り加工性を考慮して、SCM440の調質硬度範囲をHB=240~300程度に設定したいと考えています。
- 通常、当社ではSCM440の調質硬度をHB=293~341に設定していますが、焼き戻しによってその範囲をコントロールすることが可能なのか確認したいです。
- 質問文章では、ベベルギヤーの更新において材質の設計変更を検討しています。強度上の問題はクリアーしており、歯切り加工性を考慮してSCM440の調質硬度範囲をHB=240~300に設定したいと考えています。しかし、当社では通常SCM440の調質硬度をHB=293~341に設定しており、焼き戻しでコントロールできるのか確認したいです。
SCM440の硬度範囲
2012/10/28 11:44
外径2600のベベルギヤーの更新で材質の設計変更を検討中です。(コスト、納期)
材質:SCCrM3A(鋳鋼、HNR)→SCM440(ローリング鍛造、調質)
強度上の問題はクリアーしているので、歯切り加工性を考慮して、SCM440の調質硬度範囲をHB=240~300程度に設定しようと考えています。
しかし、当社では通常SCM440の調質硬度をHB=293~341に設定しており、この範囲に焼き戻しでコントロールできるのか教えていただきたくお願いいたします。
質問者が選んだベストアンサー
一般的には、
機械加工用構造用鋼(S-C材、SCM材など焼入れ性の低い鋼種)では、このままの状態で販売される
ものも多く、(これを「アズロール品(AS-ROOL:圧延のまま)」と呼ばれることもあります。
<SCM440 ⇒ アズロール硬さ;HRC 39以下、焼なまし硬さ(HRB);95以下>
機械加工用構造用鋼は、何らかの品物になるまでに、機械加工後に熱処理をするのですが、硬さなど
が高すぎたり、品質を安定させて出荷する必要から、メーカーで、必要な熱処理をされた状態で出荷
するものも多いようです。
このときの熱処理としては、「焼きなまし」「焼ならし」「調質」などがあります。
余談ですが、これらの熱処理済み材を、業界用語で、メーカーマルエイ品(メーカーで処理された
焼きなまし品)、メーカーマルエヌ品(メーカーで処理された焼ならし品)、メーカーマルエッチ品
(調質品)などと呼ばれています。
未だに、当社の現場では、調質することを「マルエッチする」というような会話が多いのですが、JIS
の加工記号では、HA・HNR・HQ-HTですので、何の違和感もなく通用しています。
焼きなましは、最も機械加工しやすい状態にするための熱処理、「焼ならし」と「調質」は、いすれも
組織を均質にするための熱処理で、赤熱温度(オーステナイト化した温度)から空冷するのが
「焼ならし」、焼入れして、500℃以上の高温焼戻しをするのが「調質」と呼ばれます。
とご存知と思います。
また、メーカーで必要な処理をされた状態で出荷する『非調質鋼又は材』もあります。
これは、
(1)焼入れ、焼戻し処理の省略により、エネルギー原単位が大幅に低減できます。
(2)焼入れ、焼戻し後の曲がり矯正作業が省略できます。また、矯正後の歪取り焼鈍も不必要と
なります。
(3)上記(1) 、(2)の省略により、納期短縮が可能となります。
また、在庫管理、工程管理、生産管理、品質管理の工数が大幅に軽減できます。
(4)全断面均一な材質であるため、切削深さ、形状に制約を受けません。
〖SCM〗⇒〖焼入れ焼き戻し〗⇒〖矯正〗⇒〖歪み取り焼鈍〗⇒┃切削加工┃
┃ 等 ┃
〖非調質鋼〗======================⇒┃二次加工┃
から、非調質鋼又は材をメーカーに問い合わせて、硬度等の調整をしてみてください。
加工性も良い筈です。
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その他の回答 (3件中 1~3件目)
外径2600が凄いのでデーターが追いつきません。厚さで判断が必要。
SCM440 相当 42CrMoS4 の詳細データ
http://www.lucefin.com/wp-content/files_mf/0542crmo4eng.pdf
右ページ中ほど
Mechanical and physical properties
Hot-rolled mechanical propaties in quenched and tempered....
φ160/250 HB 225~271
なので HB=240~300 は、まぁ妥当な値でしょうか
しかし右ページ上
Hot Rolled annealed + peeled-relled+A+SH
~φ100 → HBmax 241
これより下なのは如何なモノか
>当社では通常SCM440の調質硬度をHB=293~341に設定
は普通でしょうがサイズの影響は何とも、、試した上で規格範囲は追い込むべきでしょう。
>SCM440 ⇒ アズロール硬さ;HRC 39以下、焼なまし硬さ(HRB);95以下>
HRB 95 以下 = HB 209 以下? 何処から?
アズロールは硬すぎ
http://www.shinkansai-steel.co.jp/pdf/mechanical.pdf
新関西製鉄
SCM440 アズロール硬さ実績 HB 269
サイズ不明ながら上記詳細データと矛盾無くこれぐらいでしょう。
http://www.tenhiko.co.jp/search/zairyou/tokushukou/kouzou.html
SCM440 アズロール硬さHRC 39以下 焼なまし硬さ(HRB) 95以下
根拠はこれですか・・・更にその出処も辿れて
http://www.nisshin-steel.co.jp/nisshin-steel/product/catalog/pdf/b01-7.pdf
何なのかよく確認すべきです。
http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=277021&event=QE0004
No.40521 SCRとSCM材の違いを教えてください
回答(4)>これ生材でなく焼入後の硬さです
と誤りを指摘したが、これとも整合しない。
熱処理の基本は冷え具合なので、径がデカクとも厚みで考えれば良いのです。
かなり低い硬さねらいで強さも低くなる。それで良けれは熱処理屋さんも公差幅が広いので一発合格してくれるでしょう。
調質でなくコスト安な焼きならしでもいけそうな硬さです。
SCM440 の処理温度は判るが硬さが判りません。これも熱処理屋さんに試しを依頼すれば結果は出ます(NGでも調質可能)。
日本の鉄鋼メーカ、商社はデータを出すのをサボッテおり、詳細に知りたい時には上記のような海外メーカのサイトに頼るか技術力ある熱処理屋に相談せざるをえません。
お礼
2012/10/28 22:50
岩魚内さま ありがとうございました。
たしかに、外径2600はベベル歯切り盤ではどこでも加工出来ず、エンドミルで加工します。30年前は、ベベル歯切り盤で加工できたのですが、近年こんなサイズはほとんど無いため、当時加工してくれた歯切り業者も機械を処分してしまったそうです。今後もこのような大型歯車の更新時期となるため、現状の製作状況に見合った設計変更が必要と考えています。教えていただいたデータを参考にさせていただきます。
素人回答ですから、適当に聞き流して下さい。
参考URLの小原歯車工業(株)の、歯車技術資料を貼っておきます。
この資料の662ページに、歯車に用いられる熱処理方法が紹介されており、
SCM440に対する調質の硬度の目安は、230~270 HBと記載されています。
>調質硬度範囲をHB=240~300程度に設定しようと考えています。
お問い合わせの硬度は、歯車の専門メーカーの示す値にオーバーラップ
していますので、順当な値であるように思います。
先に示した資料の、p.666の表10.5も参考になると思います。
お礼
2012/10/28 22:26
Ohkawaさま
早速の回答ありがとうございました。KHKの技術資料はとても参考になりますね!活用させていただきます。
お礼
2012/10/28 22:31
アフターユーさんの言うとおり、材料メーカーに問い合わせてみます。くわしく教えていただき、ありがとうございました。