第20回 型研精工 株式会社

型研精工 株式会社 代表取締役社長 濱田 一男 氏 代表取締役社長 濱田 一男 氏

型研精工 株式会社

所在地

神奈川県伊勢原市鈴川61-1

TEL

0978-68-1177

FAX

0978-68-1354

担当者

溝部 秀高

事業内容

金属プレス金型、およびプレス加工、プラスチック成形品の精密金型、機械部品設計・製作

金型のリーディングカンパニー

型研精工は1975年、大手メーカーをスピンアウトした濱田社長が設立した金型メーカーである。創業当初、東京都武蔵野市のとある廃業した工場の跡地に当社は立てられたが、経営が上手く乗り出すと、伊勢原市に場所を移した。現在の本社工場である。その後、新たに大分工場を設立し、さらには87年台湾工場も設立した。
濱田社長は、型研精工を興す以前から金型の仕事をしており、アメリカはシカゴに駐在経験もある。設立に乗り出す際、濱田社長の中には既に技術・知識に関して確かなものがあったのだろう。創業以来、当社はさまざまな新技術の開発に成功しており、常に日本の金型業界のリーディングカンパニーとして、大きな貢献を収めている。

自社開発による高度なシステム

高速トランスファーシステム

その経験を生かし、型研精工では他社では見られない高度な生産システムを幾つも開発してきた。高速プログレッシブ・トランスファー・システム(KTM)は、最速600SPM(毎分600回転)での製作が可能であり、大量生産の電子部品業界に多く利用されている。速度に加えて、精密さに対する技術開発も余念が無い。コネクター、自動車電装品、コンピューター関連部品、など精密部品の製作を得意としており、当社では精密板厚0,1mm、最薄肉部分0,05mmという超精密のICリードフレーム金型が製作可能である。

また、型研精工ではプレス金型設計CAD/CAM(ADMS)まで自社開発を行っている。ADMSは、複雑なプレス金型の設計プロセス、およびNCデータの生成まで、一連の流れを効率的に行える。
「図形ではなく、人間が紙に書くプロセス(職人技)と同じです。どの機械で加工するか、材料は何かまで分析する。そういう点で他にはないでしょう。」
と、濱田社長。社長自身、ご自分のパソコンでCAD/CAMを巧みに操る。社長自らがCAD/CAMを使う姿を見ていると、開発への熱意、新しいことへの挑戦という姿勢が、この会社の体質であることが良く分かる。

IT化に対する意識の高さ。

リードフレーム

社内外の情報交換は、インターネットが基本である。創業当初は当然のことながら仕事のやり取りは電話で行っていた為、毎月百万近くの電話代を要していた。また、電話での連絡はすぐに繋がらない場合や、答えをもらうのに時間がかかる事も多い。
しかし、メールを使った現在の体制に切り替えてからは、情報がすぐに解析、整理できるようになり、情報の共有もできるようになった。更に、社員スケジュールの管理もインターネット上で行っている。濱田社長曰く、
「インターネットがなければ、今の仕事の半分もこなせないと思います。」

また、濱田社長は講演の資料として、自らパワーポイントを作るほどのパソコンユーザーであり、普段は手帳の変わりにパソコン・モバイルを持ち歩き、自宅のパソコンで社内用メールが見られるよう転送を行っており、いつでも会社情報に対応できるようにしている。そういった、社長自身のITに対する意識の高さが、社内全体に対するIT利用の浸透につながっている。

新しい発想、新しいチャレンジ

半導体に関わる仕事が急速に増えてきた頃、型研精工では早くからNC化を図り、高精度なものを短時間で大量に作れるシステムを開発した。
「常に先を見て、どんな事でも早く取り組むことが大事です。製造業では、その時代に適応した技術が必要であり、その技術が無かったら作っていけばいい。」
このような会社の体制について、
「当社の社員は平均年齢が25歳。金型プレス業を営む他社の社員を見ると、だいたいどこも40代の占める割合が多い。その点では、新しいチャレンジが組み込んで行き易かったのでは。」
と、濱田社長は振り返る。

また、開発や改良を行う上でのプロセスとして、ユーザーが喜ぶもの、意見を反映させる事にも重きを置いている。ユーザーからのクレームを集め、その中から3つ以上同じものが集まれば、そこをすぐに変えていくように改良、開発に取り組む。
「とにかく、毎日が開発。いかに開発にチャレンジできるかが大事なのです。そして流れを変える勇気を持つことですね。」
常に新しい発想、チャレンジに取り組み、飛躍を続けている型研精工の成功の鍵は、この濱田社長の信念にあるようだ。

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