第40回 合資会社 加藤研磨製作所

合資会社 加藤研磨製作所 専務取締役 加藤 義弘 氏 専務取締役 加藤 義弘 氏

合資会社 加藤研磨製作所

所在地

東京都大田区西糀谷2-7-3

TEL

03-3745-6321

FAX

03-3744-5002

担当者

専務取締役 加藤 義弘

事業内容

精密研削加工、プレス、プラスチック金型部品加工

加藤研磨製作所(東京・大田区)は、ミクロン精度での品質を保証する「研磨屋」である。技術に基づく差別化は少量多品種というスタイルを生み出し、企業のスタイルとITをうまく融合させている。今回のエミダス・スタイルは同社専務の加藤義弘氏に経営とITの活用についてうかがった。

高品質による差別化が同社のスタイル

加藤研磨製作所は昭和29年に先代が設立した。設立当初は大田区内にある大手企業の専属の下請を行っていた。現在の加藤研磨製作所は研削加工を主な業務としているが、当時は、旋盤などさまざまな業務を請け負っていた。しかし、景気の流れとともに、次第に研削加工に特化するようになっていった。研削加工の取り扱いを多様化するため種々の機械を導入。取引先も一社ではなく、なるべく多くの企業と取引するように方針を変更した。それが、現代表の加藤健氏だ。

このスタイルが現在の会社の基盤になっている。現在の月間の取引社数は50~60社。このスタイルは特定の客先または業界に依存しないというリスクヘッジを意識してである。調子のいい業界とだけ取引を行っていると、突然の業界の変化に対応できない可能性が潜んでいる。その点、取引相手を分散すれば特定の客先・業界からの受注の変動を回避できる。

また、数ではなく品質と精度に対するこだわりが同社のスタイルだ。工場内の温度管理など、製品の高品質を実現するために作業環境はしっかりと整備されている。

大田区は地方または海外と競争する際に条件が厳しい。土地は高いし、住宅街にあるため24時間操業ができない。このような条件下では、「高品質による製品の差別化」という選択は生き残っていく上で自然な流れなのかもしれない。

客観性を持った専務がIT導入へのキーパーソン

同社はエヌシーネットワークの「エミダス」を有効活用している企業の1つだ。エミダス経由で毎月新規に10~20社の問い合わせが来ており、取引先は増えつづけているという。IT導入のきっかけは、専務の加藤義弘氏がキーパーソンとなった。加藤専務は大学を卒業後、商社に就職した。その後、数年してから同社に入社した。今から8年ほど前のことだ。

当時、世間のITインフラはまだ整っていなかった。もちろん、同社にもパソコンはない。商社でインターネットの使用経験のあった加藤専務は、入社後にまずITインフラの整備に取り組んだ。加藤専務のITに対する考え方はこうだ。

「ITのメリットがどれほどのものかはわかりません。しかし、導入するデメリットはとくにないと思います。1台数千万円もする機械に比べたら、パソコンを10台買って、インターネットを繋げても、せいぜい100万円ぐらいでしょう。ITを導入しない理由がないんです」

大田区から日本全国へ

また、同社のスタイルが非常にITとマッチしているそうだ。前述した通り、少量多品種のスタイルなため、「一品もの」の注文が多い。そして扱っている商品は、宅急便で送れるサイズのものが6~7割を占めている。だから、遠隔地との取引に対して問題が生じないのである。「エミダス」により日本中の企業と取引が可能になったことは、同社にとっては新たな顧客の開拓に繋がったのである。

専務いわく、「大田区の加藤研磨が、日本の中の加藤研磨になった」

加藤研磨製作所は自社のスタイルにITの特性をうまく融合させることで、時代の流れに乗っている。今後も高品質の製品を日本中に提供していくことだろう。

株式会社エヌシーネットワーク/芳賀正輝

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