第80回 株式会社高岡ケージ工業

株式会社高岡ケージ工業 取締役営業部長 杉江 幸宏 取締役営業部長 杉江 幸宏

株式会社高岡ケージ工業

所在地

富山県高岡市内島47

TEL

0766-31-1007

FAX

0766-31-3878

担当者

杉江 幸宏

事業内容

溶接金網 ワイヤーメッシュ(表面処理:塗装、メッキ)、パイプ加工(曲げ溶接)、各種金属製ワイヤー加工

ニーズに応える溶接金網の専門メーカー

溶接金網専用機による量産ライン

大手アルミ建材メーカーや、その協力企業が集積する富山県高岡市。高岡ケージ工業は、昭和52年の創業以来、常に先を見据えた設備投資と技術開発を進め、全国でも数少ない溶接金網製造の専用機(NCマルチスポット溶接機)による量産ラインを構築している。

マルチスポット溶接機は、金属線材を自動的に順送して格子状に配列し、その交点を並列する多数の電極により一気にスポット溶接する。溶接金網の生産に専門特化した加工機である。同社では、さらに両端の曲げ加工までを一貫して行うラインを3台設備しており、金網量産の短納期・ローコスト化を実現している。

生産される溶接金網は、大別して土木関係と建築資材という二つの用途がある。同社は、後者の建築資材を得意にしており、フェンス材料をはじめとするエクステリア品を地場の大手建材メーカーに納入している。スチール線材をはじめ、アルミやステンレスなど非鉄金属線材にも対応しており、なかでも通電性が良いために難易度の高いアルミ線材のスポット溶接も美しく仕上げる。線径・端部形状・外形寸法・ピッチ寸法なども自由度が高い。

オーダー品・試作開発品の製造部門

 一方、大規模な量産ラインだけでなく、量産前の試作品やオーダーメイドの金網加工品といった多品種少量のニーズに対応していることも同社の特長といえる。

 多品種少量の製造部門では、小型の特殊溶接機や、板金加工・溶接組立・パイプ加工により、フェンスやケージのフレーム部分を製造している。また、プレス機による絞り加工、治具やフォーミング機による手曲げ加工など、総合的な金属加工設備を保有。さらに、塗装仕上げ行程を経て部品アッセンブリー、梱包出荷までの一貫生産にも対応している。

 こうして自社製造した金網や線材を加工することにより、商品陳列棚やカタログスタンドといった店舗用什器をはじめ、医療機関向けの動物実験用ケージや洗浄カゴ、食品関連のフライヤー用バスケット、工場内の作業棚・防護柵といった完成品を提供している。

積極的な提案の姿勢

同社には、溶接金網や加工品のオーダーメイド依頼が数多く寄せられる。時には、建築デザイン事務所や各分野の製造メーカーから直接相談を持ちかけられることもある。卸問屋や商社に流通している既製品では満足できない、けれどどこに頼んでよいかもわからない……相談はあいまいで、図面がない状態から始まることも多い。

こうした細やかなニーズについても、設計・製図を含む積極的な提案を行っている。営業担当や社内技術者が、お客様のアイデアや仕様環境についてヒアリングを行い、ラフスケッチを起こす。

積極的な提案と、金網専門メーカーならではの技術力・コスト競争力によりユーザーの心をつかむ姿勢は、インターネットでも一定の評価を得ている。同社では、2008年のエミダス登録を皮切りに本格的なWEB営業を始めて以来、継続的な新期開拓に成功している。ユーザーの要望に対する真摯な姿勢は、たとえばホームページ上の言葉遣いにも表れている。

金網のことならなんでも相談できる工場へ

たとえば建築デザインなど、エンドに近い業界では、「溶接金網」のことを「ワイヤーメッシュ」と呼ぶことがある。

建築資材メーカーにすれば、ワイヤーメッシュとは、線材を編み上げてつくる織金網の別称であり、溶接金網とはまったくの別物である。それでも「お客様の探し方に合わせよう」という配慮から、ホームページには溶接金網とワイヤーメッシュ両方の案内を掲載している。

また同社には、実際にワイヤーメッシュなどさまざまな金網材料を、用途に応じて取り扱ってきた実績があった。加工方法・材質・種類など幅広く提案を行い「金網のことならなんでも相談できる」ことをPRしている。これによりWEBからの反響はさらに増加しており、取引先は全国に広がりをみせている。WEB営業ならではの新たな出会いから、さらに5年先、10年先を見据えた事業を開拓してゆくことが次なる目標となる。

あらゆる分野のニーズに耳を傾けながら同社の挑戦は続く。

株式会社高岡ケージ工業

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