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町工場のIT革命/著者:高橋明紀代 /出版社:PHP研究所に弊社紹介記事
大手はベテランのリストラで、設計部門が空洞化
「設計を依頼された時、手書きはそろそろ時代遅れかなと感じて、CADでいこうと思ったんです。CADを使っているほうが説得力もありますから。アメリ力NASAのCADを見ると、すごいレベルですね。日本はこれで追い越されたんだなあと思いました」と語るのは、中川板金試作(神奈川県川崎市)の2代目・鳥居重雄専務(47歳)である。
同社はどんな種類のCADソフトで加工の依頼がきても、ほぼ全部変換できる体制にあるという。2次元CADもほとんどフリーソフトで勉強しました。ソフトを自社向けにつくっていて、レーザー加工では協力会社とデータ交換ができる体制にあり、短納期にも対応できます」
鳥居専務はデジタル化やIT化が進むことによる問題点にも触れる。メーカーの設計担当は、パソコンができればある程度の図面を書くことができます。しかし、実際の加工段階で必要なさまざまな知識やノウハウをわかっていないので、彼らは実質的には設計管理をやっているだけです。ほんとうに設計ができる人は、リストラでかなり社外に出されてしまい、いま大手メーカーではかなりの空洞化が起こっています」
大手メーカーの担当者が納期や単価だけで発注するようになると、かなりの問題が発生してくると指摘する。
「ものづくりでは、メーカーが多くの部品をいろいろな専門の町工場に発注し、それを1カ所に集めて組み立て、完成させます。その部品点数は、自動車や家電といった業種により違いますが、自動車では万を下らない数です。もし、最終工程や完成段階のどこかで不具合が生じると、ずっと手前の1個1個の部品レベルまで戻ってチェックしなければなりません。おしゃか(不良品)であれば当然やり直しです。最近では製造物責任が厳しくなっており、たとえ部品一つであっても、町工場の責任は重くなっています。
メーカーは消費者からのクレームに対して、どうしても後ろ向きになりやすい。その体質は、最近ではメー力ーの事故隠しなどが大きな社会問題になり、よく知られるようになりました。われわれが手がけている部品に関しては、自社の仕事だけではなく、その前工程や後工程についてもある程度わかっているので、危なそうな問題はまだ未然に防がれている部分がある、と私は思っています」
この取材をして1カ月後、ある国内自動車メーカーのリコール隠しが発覚した。このケースで、下請や町工場が直接どこまで関係していたかは不明だが、町工場も製造物責任と無関係でないことを再認識させるできごとであったことは間違いない。
P71~p74
ノウハウのデータベース化が急がれる
今後、発注者も町工場も若い人が中心になり、デジタルで加工指示が最終工程まで流れていった場合、最終段階ではじめて不良品が発生するという事態もあり得る。そこをどう解決していくのかというのは、今後の課題である。
「現在は問題が発生しても、まだデジタルにアナログがつながっているから何とかなります。われわれは失敗したり手こずった経験があり、そういう加工上のさまざまなノウハウを身につけた人間がまだ現場に携わっているから、何とか対応可能なわけです」鳥居専務は、このようなデジタル化できにくいアナログ部分をどうするかの対策が必要だと説く。
「例えば、複雑な形状の絞り加工の分野では、材質や用途に応じてさまざまなノウハウがあります。しかし、いまそのノウハウを持っている人は、必ずしも社会的に高い評価を得ているわけではなく、収入も特別に多いわけでもない。さらに、そこを次世代へ継承するには、時間やコストがかかります。そこで、加工上の数多くの事例をできるだけデー夕べ―ス化しておけば、これからものづくりの世界に入ってくる人はずいぶん助かります。
いままでのように、先輩が新人に『絞りは五年かかる』というスタイルで教えるのは、現実的に難しいですね。いまのうちに、技術の蓄積を持っている人からノウハウを引き出し、デジタルデータに落としていく必要があります。最近開設されたNCネットワークの『技術の森』は、その点で期待しています」
P71~p74
2、3年後には30パーセントがネット受注になる
かつて、京浜工業地帯の中心といわれた川崎には、多くのメーカーがあった。その関係でさまざまな業種の町工場が存在していた。その川崎にある中川板金試作の鳥居重雄専務は「従来、板金業界は競合関係ですから、町工場同士がライバル関係です。単価や納期などを競う間柄ですから、仲間同士の情報交換はなかなかできないのが実状です」と語る。
同社はホームベージを3年前に自前で作成した。そのきっかけになったのは、以前に売上げが減少したときに受注を拡大しようとパンフレットや葉書を作成し、あちこちにばらまいたことがあり、その結果、1社だけ受注に成功して生き延びることができた経験があるという。
「しかし、パンフレットや葉書は効率が悪い。私は前々からパソコンを使っていて、そのうち『ウィンドウズ95』が登場し、インターネットの接続も楽になりました。当時は仕事がヒマだったこともあり、自分でホームページをつくりました。
インターネット・イエローページで、受注につながりそうな会社のホームページからメールアドレスを確認し、片っ端からEメールを配りました。そのメールが社内で転送され、たまたま担当者の目にとまって、最初の受注につながったのです。
最初の引き合いは98年9月で、はじめての受注も同じく98年9月でした。コンピュータ製造販売業界からの継続受注で、最初の年の受注金額は約20万円です」
現在、インターネットによる受注金額は年額で約500万円。そのうち、スポットは200万円程度。現在、約20社とインターネットによって取引をしている。
「現在、総売上げに対するインターネット関連の比率は、現段階で15パーセント程度。そのうちスポットが7、リピートが3の割合です。2、3年後には50 パーセント程度になると思います。NCネットワークの板金掲示板に、静岡県の藤枝市で1人でやっている人から『加工先を捜している』というメールが出ていたので、『うちならできるかもしれないので、うちのホームページを見てください』と返事を出しました。そうしたら注文がきました。100万円くらいの受注金額だったと思います。
いまNCネットワ丁ク経由で5、6社から引き合いがきています。継続して注文がきているのは3、4社、スポットが10社くらいです。今後もこの調子でいければと期待しています」と成果が確実に上がっている状況である。「縦の受注から横の受注へ」というNCネットワークの狙いは、他にいくつも実現していると思われるが、中川板金試作の事例で図らずもその事実を確認できた。
P93~P94
特製のソフトで見積計算し、得意先を説得
中川板金試作の鳥居重雄専務は「継続のお客のところで単価が厳しくなっています。発注側は複数のところから見積を取って比較をしています」という。
「うちはいろいろなしベルの要求に応じた精密板金試作加工が得意で、それ以外に得意なのは絞りものです。これはみなさんが嫌う、手のかかる加工です。仮型を起こし、加工の工程があり、熟練度合いも高い。そのうえ、金曜日に受注して月曜日午前に納入という注がきます。
うちの場合、このような他社がやりたがらない分野を手掛け、そのために必要な高性能の機械設備を導入しています。それと、私と家内、家内の父の、三人の家族経営ですから、コストダウンの要求を何とかクリアできているのでしょうね」
鳥居専務はパソコンが得意で、自ら「エクセル」という計算ソフトで見積作成ソフトを組んでいる。料金表に特急、超特急というランクづけをして、ポイントで集計し、見積を出している。
「これで見積を出しますから、こちらにははっきりとした計算根拠があります。従って、相手との交渉もやりやすい。市販の見積ソフトは汎用性がなく、高価です。
お客のほうは、こちらが以前に提出した見積を必ず保管しているので、一回ごとに違う数字を出すようないい加減な見積はできません」
得意先と見積価格の交渉に入ったとき、一方的に相手のいいなりにならないで、こちら側が見積の根拠を持ち、相手にそれを提示して、しっかり折衝をする -----鳥居専務の話から、町工場でも今後はこういうスキルを磨いていく必要があると痛感させられた。
P161~P162
中川試作板金の鳥居重雄専務はいう。
「今後はNCネットワークなどで、CADソフトを会員に安くダウンロードするサービスができるようになるといいですね。一番使い勝手のいいソフトを開発して、Javaのように配信していけば、会員は助かります。こういう体制が整えば、それを使う工場同士は共通ソフトになるので、協力しあって大きな仕事にも取り組めるようになります。方向としてはきっと出てくると思います」
P188
「町工場のIT革命 高橋明紀代著 PHP研究所」よりそのまま転載
最終更新日:2010-08-20
日経経情報ストラテジー特集 日経情報ストラテジー2001年2月号
「インターネットのホームページが新規取引先を開拓する武器になる」ついにこうした時代が到来した。取引先の再編を進める大手メーカーや 系列への依存から脱却しようとする中堅・中小の製造業が、インターネットの世界で一斉に新しいパートナーを探し始めたからだ。中小製造業にとって、インターネットを利用した営業は不可欠なものになった。
花澤裕二
「従来なら営業に行こうにもアボイントさえ取れなかったような大手企業から、仕事の依頼が増えている。今日も、ある外資系通信機器メーカーの設計担当者と打ち合わせをしてきたところだ。感触は良かったので、おそらく受注できると思う」
町工場が超有名企業から直接受注
中川板金試作(本社川崎市)の鳥居重雄専務は、ここ2年ほどで30社もの新規取引先を開拓することに成功した。そのうち、継続的に注文が入る企業は10社を超える。そこには、誰もが知っているような超有名企業がいくつも含まれる。
おかげで、年商は約****万円に回復。(****は当社の判断で非表示、以下2行削除)新たな取引が、既存の取引先からの受注減をカバーしたからだ。総勢3人の家族経営で、小ロットの板金試作を専門に請け負う小さな工場である。にもかかわらず、この2年間で問い合わせや見積もり依頼が、約100件も舞い込んだ。それも、全く取引がなかった相手ばかりだ。秘密はインターネットにある。引き合いはすべて、中川板金試作のホームページを見た企業からのものだったのだ。中川板金試作は単にホームページを作っただけではない。98年8月、初めてホームページを立ち上げると何時に、電子メールによる営業を積極的に開始した。
このメールが、あるコンビユータメーカーの社内で設計部門に転送され、設計担当者から「サンプルを見たい」という電子メールが届いた。ホームページを開設した1カ月後のことだ。鳥居専務は即座にメールを返信。サンプルを持って先方を訪ねると、その場で取引が決まった。10万円強の小さな取引だったが、これに意を強くした鳥居専務は、その後も暇を見つけては電子メールによる営業を続けた。その甲斐があって、同社のホームページを訪れる企業は急増。今や、新規取引先への売り上げが全体の3分の1を占める。
日経情報ストラテジー2001年2月号 84ページから87ページまで
最終更新日:2010-08-20
インテュイット社のeSOHO誌 / ユーザーレポート/中川板金試作
今回ご登場いただく(有)中川板金試作様はオーディオ機器などの板金部品を、"少量試作"している企業さんです。人の手による細やかな技術が要求される板金製作を、QuickBooksはどのようなかたちでサポートしているのでしようか。
経理業務をQulckBooksにお任せすることで伝統の技術を守っていく
SOHO事業者の抵抗感を崩すようなサービスを
「クイックブックスは使いやすいですよ。アイコンも面白いし、簿記や経理の専門知識がなくても使える親切設計は、これまでの経理ソフトにはなかった魅力ですよね。私たちのような人手の少ないSOHO事業者にとって非常にありがたいソフトと言えるんじゃないですか」と語るのは (有)中川板金試作の鳥居重雄さん。
「ただ残念なのは、多くのSOHO事業者は、QuickBooksを使う以前にパソコンを使えない人が多いということ。導入時の接続方法や、マウスやキーボードの使い方といった基本的な操作に対して、自分には無理だと決めてかかっている人が多いんです。これって大半は食わず嫌いで、思つているほど敷居は高くないし、一度使いこなせばこんなに便利なものはないんですけどね。ですからSOHO事業者の皆さんには恐れないでパソコンに挑戦して欲しいと思うし、メーカーさんや販売店さんにも、抵抗感を突き崩してくれるようなサービスを期待したいですね。」
人ができることとコンピュータができること
経理やプライベートでパソコンを有効に活用している鳥居さんですが、専門は、パソコンよりもむしろ、烏居さん自身の熟練した技術が要求されるお仕事です。「主にオーディオ機器などに使われる板金を、平均して3~5個、試作します。大量生産なら外国の工場でやってしまうのでしょうが、その前の試作品に使われる板金は、機器の性質に合わせてオーダーメイドしなくてはならない。そういった作業はコンピュータには不可能なので、自分の腕と経験が頼りなんです。ただ、こうした技術を持った板金屋は年々少なくなってきましたね。」面倒な経理業務はQuickBooksで行い、人の手が必要とされる板金製作にじっくりと時間をかける。人とコンピュータの適確な役割分担こそが、今では貴重となりつっある伝統の技術を守っていくのです。
最終更新日:2010-08-20
SOHO総合情報誌『月刊CYBiZ SOHO ドメイン』(8月号)
自作マニアを一般客として取り込み、「法人客頼み」からの脱却を図る!神奈川県川崎市の住宅街の一画に工場を構える中川板金試作。経営危機を救ったというネット戦略は今、第2段階を迎えようとしている。舵を取ってきた同社・専務取締役の鳥居重雄さんに話を聞いた。
「インターネット営業」が会社の経営を救った
オーディオ機器やコンピュータ周辺機器などの装置メーカーが、新商品を開発するときは、まず試作品を作り、性能テストを繰り返していく。そして、最終的にゴーサインが出た段階で、量産体制に入る。中川板金試作は、この試作品製作に用いる薄板精密板金の加工を専門とする町工場だ。
専務取締役・鳥居重雄さんが、妻の父親の運営するこの工場で働き始めたのは1976年頃。地元・川崎のオーディオ機器メーカーの下請け工場として売上げを伸ばしていたが、バブル期を填に経営状態は先細りの一途をたどった。「取引先を見つけなければ、会社の未来はないところまで追い詰められました。そこで初めてネットの活用を考えたのです」
98年10月、自社サイトを立ち上げ、メールでの営業活動を開始。数ヶ月後には大手企業である日本アイ・ビー・エムから注文が入り、その後も順調に取引先を増やすことに成功。ネット活用がいきなり功を奏した、稀有な例と言えよう。「今では、ほぼ100%がインターネット経由で開拓した取引先。当初は5割程度を目標にしていたので、予想以上でした」
これまで同社が“自社の強み’’としてきたのは「短納期」。商品開発にあたり、メーカー側はそれほど長い日数をかけない。短い時間のなかで、試作品でのテストを繰り返すため、短納期は重宝がられ、取引先を増やすための決め手となった。
短納期をスムーズに進めるため2000年には、ホームページ上にカレンダー方式で稼働状況を知らせる仕組みを構築した。「注文が重なり、短納期が不可能なケースが出てきました。そこで『○日は混み合っている』などの情報を載せ、注文をうまく分散させようとしたんです」
98年10月にインターネットを活用し始めて7年。試作製造業界は現在、大きな転換期を迎えていると鳥居さんは実感する。「メーカー側から送られてきた立体物の図面を、私たちが平面の展開図に直し、それをもとに板金を作っていきます。この展開図を起こす作業こそが“職人技’’なんですよ。実際の製作時間と同じぐらいの時間がかかることもザラ。ところが3DのCADシステムが普及し、現在ではパソコンであっという間に展開図にできる。もちろんメーカーでもできます。しかも、レーザーを使って機械が板金製作するケースも徐々に増えています。将来的にはメーカー側は私たちに頼らなくなると思っています」
とはいえ、メーカーに対する攻めの営業姿勢は崩さない。昨年は鳥居さん自身も3D-CADシステムを導入して作業を効率化、これまで以上の短納期を実現した。「小規模な工場で3D-CADを使うところは少ないですから、“打ち出の小槌’’のようなもの。もっと使いこなして、受注の幅をどんどん広げていきたいですね」
一般消費者を相手に金物のDIYショップも開設
いっぽうで、メーカー以外に「一般のお客様」の取り込みにもカを入れ始めている。金物を扱うネット上のDIYショップ「板金工房」の運営だ。ここでは、たとえば趣味で真空管アンプを自作する人からシャーシ製作の依頼を受けて板金加工を行っている。「以前から一般の方からの注文がたまに入ってはいました。そこで02年に専門の受注サイトを思い切って作ったんです。売上げは徐々に伸びており、現在は全体の約30%にまでなっています」
「板金工房」は短納期をコンセプトには掲げていない。メーカーから依頼された仕事の合間を縫って、注文に応えているからだ。もっとも難しいのは値段の設定だという。「こちらが当たり前と考える値段を、お客様が当たり前に感じないケースが多い。そこで基本料金を提示しつつ、必ずお客様と交渉し、最終的な金額を決めています」 また、図面を描けないお客様も少なくない。図面を描いてきても、図面自体が誤っていることもある。鳥居さんは、こうした案件すべてに対し丁寧に対応している。
「『お陰でロボットが動きました!』なんて喜んでいただけると嬉しいですからね」と鳥居さんは笑うが、その姿勢が、一般消費者の心をつかんだのだろう。「板金工房」について鳥居さんは「今後、当社の軸になる」とまで言い切る。「最近では、高校生でも3D-CADを使う人も増えています。今後、ますます需要は高まるのではないでしょうか」
取材・文/永峰英太郎 写真/大倉落夫
最終更新日:2010-08-20
アスキー発行の雑誌『インターネットでお店やろうよ!』(10月号)
コンピュータやAV機器メーカーなどが新商品を発売する際、必ず事前に試作品をつくり性能や強度などのテストをします。「中川板金試作」は、その試作品製作に使われる"薄板精密板金"の設計図づくりから加工までを請け負う町工場です。サイトのオープンは1998年10月。
専務兼オーナーの鳥居重雄さんは、「企業向けにDMを送りサイトを営業に役立てようと考えました」。しかし思わぬところからの需要があったのです。「月に5件ほど個人のお客さまから問い合わせがありました。聞くと、真空管を使ってオーディオを自作したり、クルマやバイクのパーツ製作などのマニアの方だったんです」 アプローチ法を変えれば、もっと個人ユーザーの取り込みも可能だと感じた鳥居さんは、03年にエンドユーザー向けの専用サイト「板金工房」をオープンしました。 企業向けサイトとは別にサイトを設けたのには理由があります。
「プロではない個人のお客さまの描く図面はイラストっぽかったり、間違っていたりすることも多いんです。そこで、『基本パターンを選び、寸法を入力するだけ』で注文ができるフォーマットをつくりました」 この思い切った戦略が、お客さんとのやりとりの回数を減らし、1、2個の受注でも手間をかけずに作業できることにつながったのです。 いまでは、芸術学部の大学生や工業高校の学生からはロボットのパーツ製作の依頼を受けるなど、約3割が個人ユーザーからの注文が占めるまでになりました。「今後ますます需要が伸びると確信しています」(鳥居さん)。
アスキー発行『インターネットでお店やろうよ!』(10月号)掲載記事よりそのまま掲載
取材・文/有限会社 エディ・ワン 小林 正樹 氏
SOHO総合情報誌『月刊CYBiZ SOHO ドメイン』(8月号)
最終更新日:2010-08-20
神奈川新聞(2007/06/04) “コンビニ”板金試作工場
(有)中川板金試作(川崎市川崎区)は、1個の注文にも対応してくれる“コンビニ”板金試作工場として知られている。
同社では、精密かつ短納期を売り物に、金属を板金加工し、オーディオ機器、印刷複写機器、測定機器、コンピュータ周辺機器等の筐体、シャーシ、部品等を製作している。
「一度の注文で製作するのは平均5個程度。100個以上の注文があれば他社を紹介しています」と鳥居重雄社長(=写真)は語り、試作品などの一品物や多品種少量生産に特化している。
この板金工場を切り盛りする鳥居社長は、精密板金加工30年、職人技の持ち主だが、元は広告代理店に勤める企画・広告マンだった。妻の家業を手伝うために転身、社業を引き継いだ。
主要取引先からの受注減がきっかけで、インターネットに注目、活路を求めて自社ホームページを1998年に開設、メールで営業を開始した。試作品を短納期で対応することをPRし、ホームページへの訪問を誘導したところ、大手企業から直接メールで注文が舞い込むようになるなど、年間200~300件を受注できるまでになった。しかも、ほぼ100%がインターネット経由で受注しているという。
朝の注文で、翌朝には納品するという特急品対応や、工場の稼動状況が一覧できるカレンダー、対応不可能な作業内容、金型まで公開していることが人気の秘密のようだ。有限会社 中川板金試作:鳥居写真
同社では、企業向けとは別に、個人ユーザ向けのインターネット・オーダーメイドショップ“板金工房”を開設している。オートバイ部品、オーディオ機器、発明品の製作などマニアからの特注品を製作している。年間100件もの様々な注文に応えているが、この“板金工房”が本格稼動するのは、本業の板金試作工場の休業日の日曜・休日。納期に時間がかかっても、図面の作成から請け負ってくれるとあって、インターネットの店舗には行列ができることもあるという。
「お客さんからお礼のメールが届くことがなにより」と語る鳥居社長は、仕事と趣味を両立、休日返上で、ものづくりを支えている。
最終更新日:2010-08-20
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