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今回は、高周波焼入れに関連する資格についてご紹介します。
それは、金属熱処理技能士(高周波・炎熱処理作業)です。
これは厚生労働省が認定する国家資格で、富士電子の社員はほぼ全員が有資格者です。
試験で出題される問の一例をご紹介します。
構造用合金鋼に関する記述として、誤っているものはどれか。
イ SCM420は、SCr420より焼入性がよい。
ロ SNCM材は、SC材より自硬性が大きい。
ハ 高温焼戻しぜい性を軽減させるには、Moの添加が有効である。
ニ SCM435とS35Cは、理想臨界直径が同じである。
イ
SCM420とSCr420の合金成分を比較してみます。
【SCM420】(Si)0.15~0.35% (Mn)0.6~0.9% (Ni)0.25以下 (Cr)0.9~1.2 (Mo)0.15~0.25
【SCr420 】(Si)0.15~0.35% (Mn)0.6~0.9% (Ni)0.25以下 (Cr)0.9~1.2
SCMはクロム鋼に更にモリブデンを添加することで焼入性を上げています。
そのため、イは正となります。
ロ
自硬性が高い、とは焼入温度からの冷却速度が遅くても、容易に硬度が入る状態のことを指します。
SNCM材には自硬性を上げる元素(Cr・Mn)が多量に含まれている為、ロも正となります。
ハ
焼き戻し脆性とは、一定の温度で保持した場合に現れる金属脆性のことをいいます.
せっかく焼入れで性能を向上させた製品を損ねることになるので、その温度帯は一般的に忌避されます。
温度帯には二つあり、300℃付近が低温焼き戻し脆性、500℃付近を高温焼き戻し脆性と呼びます。
添加元素のMoには焼き戻し抵抗を大幅に上げる効果があり、高温焼き戻し脆性に有効です。ハも正です。
ニ
理想とは、焼入温度からの冷却性能が無限大であること。
臨海直径とはその中心部において50%マルテンの組織を持つ、3d以上の丸棒の直径を指します。
理想臨界直径の値が大きくなればなるほど焼入性がよいことになります。
問の2つの鋼種は焼入性が違うため、ニが誤りであると分かります。
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072-991-1361
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会社名 |
富士電子工業 株式会社 (ふじでんしこうぎょう) |
エミダス会員番号 | 88995 |
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国 | 日本 | 住所 |
日本 大阪府 八尾市 |
電話番号 | 072-991-1361 | FAX番号 | 072-991-1309 |
資本金 | 8,000 万円 | 年間売上高 | |
社員数 | 130人 | 担当者 | 能美 |
産業分類 | 工作機械 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
主要取引先 |
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