第2回 エミダスだよ!全員集合!! レポート ~パネルディスカッション~

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NCネットワーク受発注事例発表会

~ パネルディスカッション ~
「インターネット受発注大作戦」

2001年3月9日(金) 14:30-16:00



【パネリスト】

 福井 啓二 氏 (株式会社 インスメタル
船田 亨一 氏 (株式会社 エフ・マックエンジニアリング
伊藤 國吉 氏 (株式会社 関製作所 )    
進藤 京二郎 氏 (株式会社 ハーマン精機)

【コーディネーター】

 河野 正樹 氏 (中岡プレス工業株式会社

(文中敬称略)




河野 正樹 氏
中岡プレス工業株式会社

河野:

 最初は小さなグループから始まった、NCネットワークですが、今日(2001年3月9日)現在でEMIDAS会員の数は 6,900社以上、会員の総売上高は3兆円を超えています。

本日は、パネリストの方々の生の声を通じて、EMIDAS会員の皆さんが日頃感じていることを聞き出しまして、実際にEMIDASが作り上げているマーケットプレイスの現状を見いだせればと考えます。


福井:

 NCネットワークには、1年前に登録しました。ちょうど会社のホームページを立ち上げ、多くの人に見てもらいたいと思っていたときに、知人から紹介されました。
登録してまもなく電話やEメールでの引き合いがあり、驚きましたね。 現在も1ヶ月で4~5件は問い合わせがあります。そこから実際に成約に結びついたのは既に5件ぐらいあります。

ホームページで、3次元レーザー加工機の紹介をしており、特殊な加工が出来るという点をアピールしたことが良かったのだと思います。
やはり新規に顧客を見つけるには、インターネットの利用が効果的だと実感しました。

急な配送には「トラボックス」を活用

 NCネットワークのホームページの中で、「トラボックス」を活用しています。
普段は、自社の配送用トラック2台と知り合いのトラック運送会社3~4社で回しているのですが、急な配送の場合、それだけでは対応できず、「トラボックス」を利用することにしています。今までに10回くらいはお願いしていると思います。

「この荷物をどこからどこへ運んでほしい」とホームページ上で送信すると、すぐに反応があり、「運びます」という電話が続きます。この速さには感心します。
トラボックス」を利用すれば、当日配送のものでも対応できます。 また、空車を利用するのでコストが抑えられるというメリットもあります。

福井 啓二 氏
株式会社 インスメタル

船田 亨一 氏
株式会社 エフ・マックエンジニアリング

船田:

 弊社は東京の大田区、町工場の集積地の中に位置します。EMIDASに登録してから、今まで全く取引のなかった全国各地の企業から問い合わせが来るようになりました。インターネットは距離を越えたビジネスを可能にするということを実感しました。

NCネットワークを通じての問い合わせはかなり多くなっています。引き合いの内容は難易度の高いものが多く、やはり他とは違う、特殊な技術が求められていると思います。

インターネットによる受発注においては、初回取引への不安が生じます。しかしそれもホームページを通して、設備や製品などの必要な情報を効果的に発信することで、大きく違ってくるのではないでしょうか。私は自社ホームページの「バーチャル工場見学」にて社内を公開し、初回取引での不安を解消させたいと考えています。

インターネットを利用して受注を獲得するには、情報環境の整備、情報発信の
スキルアップが重要となってくると思います。


伊藤:

 NCネットワークのコンテンツの中では、「プレス技術講座」を担当 しています。プレス部品の設計者は意外とプレスに関する技術に乏しいので、プレス技術を理解することで、品質的に安定し、低コストの製品設計が出来るのではと考え、その参考になればと思い作成しました。

NCネットワークとは、3年ほど前にDMネットワークをつくり、短納期や設備の稼働率アップを目指して、新しい取り組みを模索しており、それが現在の「EMIDAS PIT」利用に発展しました。

関製作所では、基本的に金型としての受注ではなく、量産品としての受注のため、基準は量産の生産能力で考慮されます。多い時は一ヶ月に47型、少ない時は10型と受注にかなりのバラツキがあるため、外部依存に頼ることになります。
そこで昨年より、金型部品のインターネット受発注システムである「EMIDAS PIT」を利用して発注しています。

◆金型部品の外注は「EMIDAS PIT」を活用◆

 EMIDAS PITを利用する理由は、定常業務でない部分を、我々に適した協力工場に任せて行ってもらえるためです。我々で探すことは大変な労力ですが、NCネットワークでは審査が徹底されており、納期、品質面も問題はほとんどなくなっています。

我々は、納期が第一で、次が品質。コストは三番目くらいに考えています。納期については、多分出来るだろうという勘に頼る基準ではなく、生産管理を徹底し、またNC機については小日程までの管理をして頂きたいです。

図面はCADデータで発注していますが、折角のデータを紙に置き換えて作るのではなく、データをうまく活用して半ば自動的に作ることで加工ミスが防げると思います。そのための標準化も今後必要な作業ではないかと思います。

伊藤 國吉 氏 
(株式会社 関製作所 )

進藤 京二郎 氏
(株式会社 ハーマン精機)

進藤:

 世の中の変化に伴い、現在は金型だけではなく、板金、試作開発、少量独自の商品に特化してきました。モノづくりにおいてはオールマイティーを目指しています。

EMIDAS工場検索掲示板も活用させていただいております。工場検索にはいろいろなジャンルがありますが、どこを検索しても、「ハーマン精機」の名前が出てくるというくらい、NCネットワーク経由での引き合いは多くなっています。新規顧客も増え、継続取引をいただいている企業もあります。
掲示板工場検索エンジンなど、NCネットワーク経由での引き合いがあった場合、その後の対応・交渉が重要です。

「インターネットの魔力」とは、自分が探索していることについて的確に書けるということです。つまり、品質、コスト、新開発等、行き詰まったときには、インターネットを効果的に利用できるということです。例えばメールにて価格を直接表記して交渉をすることもあります。足を使って営業展開やれば、まず出来ないことです。


河野:

 インターネットを利用した営業において、納期・品質・コスト、そして特異技術をいかに上手くアピールするかが重要です。 それらのフォローアップは企業だけでなく、個人のパーソナリティも大いに影響するということでしょう。
これから、NCネットワークを通じて中小製造業の仲間がもっと増えて、活性化し、仮想工場を盛り上げていきたいですね。

終わり

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