システム構築をアウトソーシングしてはいけません

アウトソーシング という言葉は、最近特によく使われています。


総務・経理のアウトソーシングとか、営業のアウトソーシングとか、電話受付のアウトソーシングとか…。

中小製造業の経営者の方々でも、さまざまな業務のアウトソーシングをお考えの方々は多いと存じます。

自社で社員を抱えて、育成しながら業務を行わせるよりも、外に出した方が効率的で結果としてコストも安い。
それがアウトソーシングのメリットなのですが、こと 「 システム構築 」 だけは、絶対にアウトソーシングすべきでないということを、少しお話ししたいと思います。

ここで言う 「 システム構築 」 とは、広義で捉えると前述したような 「 継続的な成果 / 結果を導く仕組み 」 ということですので、これを会社経営という視点から見ると、 “会社にとって継続的な成果 / 結果を導く仕組み ” 「 システム 」 ということになります。

ようするに、会社の中に、組織の中に、仕事の中に、どのような “ 仕組み ” を取り込めば、継続的に安定した結果が導かれるか がポイントです。

それで言えば、 「 システム化 」 とは、会社が発展していくかどうかを決定する要因 であると言い切れます。

それが “ 仕組み ” として起動しない限り、スーパー営業マンと職人しか結果が出せない会社 になってしまい、こうした人に依存した経営では発展性はありません。

経営者の方々は、こうしたことはよくご存知です。

このような “ 経営の仕組みづくり ” の部分をアウトソーシングしようという経営者はいないはずなのですが、これがこと 「 情報系のシステム 」 という領域になると、なぜか頭っからアウトソーシングしようと考えてしまわれるようです。

この 「 情報系のシステム 」 という領域では、コンピュータが切っても切り離せないものとなってきます。
このコンピュータが出てくる段階で、なぜか多くの経営者の方々が、依存型になってしまわれます。

これがそもそも 中小企業におけるIT化の失敗の元凶 です。

ようするに、情報システム化ということを、単純にコンピュータ化という意味合いで捉えるがために、自分にはわからない領域であると片付けてしまい、肝心の 「 会社のシステム=仕組みを構築する 」 という一番重要な視点さえも、アウトソーシングしてしまっている のです。

営業システム

営業・販売の “ 仕組み ” を見直し、スーパー営業マンでなければ売れない手法を改め、誰がやっても継続的に売れ、利益が出る仕組み

生産システム

古参の職人しか品質・納期ともに厳守できない “ 仕組み ” を見直し、ある意程度の技術経験者であれば、誰がやっても継続的に良質のものが造れ、かつ効率的に生産できる仕組み

情報管理システム

特定の仕事や専門領域にある人々のノウハウや情報を、会社の中でそれが必要な人すべてに分りやすく、そして簡易に伝える仕組み。
それによって、組織の中でそれを担当していない人であっても、その内容を正確に把握する ( 情報伝達を迅速に行う ) ことを可能にし、多くの人が同じように成果 / 結果を導くことのできる企業に至らせる。

上記に示しましたのは、会社におけるシステム化の実際の項目です。

お気づきでしょうか。上記の3つの文面で表れているものは、コンピュータ化のことを意味していません。

逆に言えば、コンピュータに依存しなくても、解決する方法を導くことはできるものなのです。

ところが、システムと名がつく段階で、すぐアウトソーシングしようと考えてしまう…。

何度も言いますが、この 「 システム構築 」 の部分を、アウトソーシングしてはいけない のです。

それを行ってしまった時、失敗の確率は多くなります。いわば博打経営です。システム構築を他人に任せて、うまくいくはずがない のです。

自社のシステム構築は、企業経営者が行うべきです。

問題は、そのシステム構築というものが、なんとなく分りにくく、さらにコンピュータ領域になってくると手も足も出ない という現実の本音の部分です。

本講座の目的は、まさしくここにあります。

すなわち、システム構築というものを、可能な限り分りやすく説明していくだけでなく、それを構築していく手法を具体的にお伝えすることで、誰でもがシステム構築ができるようになる 講座です。

今までは考えもしなかった、情報系のシステムを自分で考えてみるという試みだけでなく、最終的にはその情報システムの設計図も書いてしまおうと考えています。

講座の体裁上、後半は情報系のシステム構築に重点を置いた展開になっていますが、前段の部分で説明させていただく幾多の項目は、情報系システムに関わらず、 「 営業システム 」 「 販売システム 」 「 組織管理システム 」 その他、企業経営にとって必要不可欠なシステム化構築のための技法を紹介しています。

また、先にNCネットワークの方で展開して、先日終了しました 『 セールスプロモーション講座 』 も併せてご理解いただくと、一層の企業展開のお役に立つと存じます。

それでは、次回から 「 システム構築講座 」 、始めさせていただきます!

チェックポイント!

アウトソーシングしてはいけないもの

それは、会社にとって一番重要な 「 仕組み=システム 」 を構築すること です。 これをアウトソーシングするぐらいなら、スーパー営業マンと職人のいる会社としてやってる方がまだましです。
ところが、こと 『 情報系のシステム化 』 となると、その構築のところから外部のシステム会社に委託してしまおうとする。
これがそもそも、中小企業のIT化を失敗させる元凶 なのです。

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