商談できながらも、商売に結びつかなかった理由

NCネットワークの中でセールスプロモーション講座を開始して、少しずつですが反響が出てきました。
この講座を見られた中小製造業の方々からの、内容についてもう少し詳しく教えてほしいという旨のメールです。
こちらとしても、1件1件に可能な限り早くメールの返信をさせていただいています。

いただいているメールの内容は、大きく2つに分かれます。
1つは、「 とても分りやすくて、ためになる 」 というもの。

もう1つは、「 内容的には理解できるが、自分たちのような零細で、しかも100%下請けで独自商品を持たない町工場においては、セールスプロモーションとか言われても役に立たないのではないか 」という声です。

講座の冒頭にも触れているのですが、このセールスプロモーション講座は、こうした町工場の方々にこそ理解していただきたい 講座なのです。

そしてまた、上記の「声」の中にもあるのですが、" 自分たちは独自商品を持たない " という見解。

これは実は間違いなのです。

「 商品 」 というのは、なにも 「 モノ 」 だけではありません。
「 会社 」 や 「 工場 」 、そして重要なのは「 そこに働く人 」 や 「 技術 」 「 ノウハウ 」 「 発想 」も 商品 です。

この世に2人と同じ人がいないのと同様、会社にも同じ会社はありません。

問題は、そのちょっとした違い、 少しだけ他社よりも勝っている点を、『 強み 』 として商品化できているかどうか の違いだけであって、どのような会社でも工場でも、独自商品はあるのです。

例えば、従業員3名ほどの小さな町工場では、「 人件費の少なさ = 身軽さ = 新しいことに挑戦することのリスクの少なさ 」商品 でもありますし、

100%下請け対応型の工場であれば、「 100% 要望に対応しきれるほどの技術 ・ 生産対応力を有している 」 こと商品 です。

こうした1つ1つの強みを組み合わせたり、それぞれの従業員の個性を詳細に見たりしながら、別展開を考えていけば、立派な 独自商品 になります。

このあたりは、また本講座のどこかで 「 あなたの商品は何ですか?」 という観点でもう一度詳しくお話ししたいと思います。

さて、今回のテーマは 「 クローズ 」 についてです。

お客様から 「 発注をもらう 」 ということが クローズ なのですが、営業シーンにおいてそんなに簡単に発注をもらえることはごく稀です。

お客様としては、自分のニーズに合っていると思える商品でも、いざお金を出して購入する際には迷うものです。
なぜなら、私たちが提案した商品と同様の商品を他社も扱っていて、比較した他社のほうが良いもので、安いものであるかもしれないからです。

このようなご時世ですから、できるだけ良くて安い方を買いたいと思うことも当然でしょう。

商談の中で、お客様に商品の良さを理解してもらって、「 欲しい 」 という声をもらいながら、いくら待っても返事が来ない。
しばらくしてから電話をすると、「他のところで同じような商品でもっと安いところがあったから発注した」 と言われて絶句する…。

「こんな客、誰が2度と付き合ってやるものか!」 と激憤する前に、本講座では自分の至らなさを振り返ることにいたしましょう。

「そういう隙を与えないように、お客とは密接に繋がってないといけないんだ!」という声が営業部門を支えてきた古参の上司の方々の見解でしょう。

それでは、具体的にどうするのか、と問えば 「 とにかく足しげく通うことだ 」「 人間的に気に入ってもらうことだ 」 「 接待やゴルフの付き合いだ 」 という答えが返ってきます。

ビジネスのあり方自身がオープン化して、カタログ注文、ネット取引などが増大傾向にある中、もう少し別の発想はないのか と思います。

それでは、どうすれば良いかという答えです。
ここからは、できるだけシンプルに分かりやすくお話しします。

先ほどの上司の見解は間違いではありません。
「 そういう隙を与えないように、お客様とは密接に繋がるということ 」 はその通りです。

ようするに、その手法として、「接待」 や「ゴルフ」という不確かなあり方 だけではなく確実にお客様の 「 期待 」 を 「 キャッチ 」 し続ける ことなのです。

言い換えれば、「 お客様のマインドをこちらに向けさせ続ける 」 ということです。

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