第15回 株式会社 シンエイ

( 初出:日刊工業新聞社「プレス技術」 第38巻 第1号 (2000年1月号) )

執筆者 内原康雄

新垣哲夫社長

今回のデジタル・ファクトリーは、大阪府豊中市で主として弱電金型を製作する 「株式会社シンエイ」を訪れた。
すぐそばには大阪伊丹空港を控え、豊中インターチェンジ付近に位置する。
「シンエイ」は弱電の金型を中心に順送型、トランスファー金型、絞り型を中心 として製作している金型専業メーカーである。
絞り金型製作や全体的な短納期対応力などには定評がある。
いかに安い、高品質の金型をつくるか、が最近の金型製作の課題であるが、「シ ンエイ」では工作機械のNC化、CAD/CAMによる設計・製作等を柱に近 年も設備投資に力をいれている。 新垣社長は「最近の金型はCAD/CAMやNC工作機械の力でどんどん値が下 がっていきます。我々金型メーカーは、それに付いていかねばならない。
設備投資はそういった意味からも前向きにやっています」と語る。 さらに近年の不況について、「確かに今は不況ですが、それだけにお客さんから の注文を待っているだけじゃ駄目です。
こちらから営業に出向いて、いろいろ な情報を得る時代です。
ホームページや自作の会社パンフレットなども営業の ひとつです。あらゆるきっかけをとらえて積極的に営業活動をしております。
おかげさまで近年お客さんが増えてきています。
『仕事に厳しく、人には優し く』をモットーに平均年齢38歳の若さとパワーで前向きにこの不況を乗り切っ て行きたいですね、必ず出来ると信じています」 と元気に語ってくれた。

シンエイの金型システム

「シンエイ」では「CADSUPER-FX」「CAMCORE-HANDY」 を中心としたCAD/CAMシステムを構築している。
シンエイのネットワークシステム構成は図1のとおりである。
金型設計、NC工作機械現場を結ぶネットワークは金型設計をする松崎氏の手作 りのネットワークである。
メインPCにはNECのEXPRESSワークステーションを設置し、PC98が それぞれのNC工作機械を操るツールとなっている。
実にシンプルな構造であるが、 無駄のないネットワークと言えよう。
ネットワーク環境について松崎氏は「弊社のような町工場では安く、良いものを 早くつくることが大切です。
ネットワークについても、全てを業者任せにせず こちらの意向を十分理解していただきながら、安価で分かり易く使いやすいシス テムになるよう心がけており、インターネットで知り合った方々にアドバイスを いただきながら日々進化しております。」と語る。

会社概要
株式会社 シンエイ
代表者 代表取締役 新垣 哲男
創業 1981年(昭和56年)4月1日
所在地 本社工場
〒561-0842 大阪府豊中市今在家町19-41
TEL(06)6866-1723 FAX(06)6866-3698
第2工場
〒561-0842 大阪府豊中市今在家町19-32
第3工場
〒561-0842 大阪府豊中市今在家町19-30
資本金 1,250万円
従業員数 13名
営業内容 プレス用金型設計・製作、治工具製作、NC加工
主要設備 【プレス機械】ストレートサイド油圧プレス(200トン)、ダブルクランクプレス(150トン)、パワープレス(55トン)
【工作機械】立型マシニングセンタ、ワイヤカット放電加工機、細穴放電加工機、平面研削盤、成形研削盤、旋盤、ラジアルボール盤、直立ボール盤、卓上ボール盤、コンターマシン、ほか

 

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