4-2 効率的なプロセス

(1) 設計から起型までの期間短縮

一般的には、量産用の金型を起こすには手造り試作を数回繰り返される。
更に、金型が完成されてからも金型試作を数回行い変更改造をし量産に移行される。

一般的には、手造り試作の段階においては量産性や金型上の問題点等は考慮されない場合が多く、起型打合せ時に金型の都合等による設計変更を依頼することになる。

その際、せっかく手造り試作で確認した事項が再確認の必要が発生することもあり、その確認に関連部品を調査したり最悪手造りのやり直しの必要となり得る。
それは、時間と費用の大きなロスとなる。

また、起型打合せの内容につき製品機能の検討を怠ることにより、金型完成後に試作時と異なる結果不具合があらたに発生することもある。
起型スタートとなってからのVA検討についても、検討に要する時間が金型日程に影響され実質的には困難となる。

従って、手造り試作においても量産用金型の起型部門との打合せは重要となる。

気軽な相談相手の確保

一般的には、手造り試作手配時には量産用金型手配先が確定していない場合が多く、製品設計者が金型設計者と打合せられないのが実状では。
手配先が確定していないことを条件に、気軽に相談出来る金型メーカーを数社知っていることも設計効率や期間短縮の上で有効。

(2) 設計変更による金型への不具合

設計期間の短縮、軽薄短小の追求、低コストの追求等製品設計に求められる要求はますます厳しくなり、金型完成後の設計変更はある程度必要条件となっている。

しかしながら、設計変更による金型上の不具合として、

対策としては、

変更部品選択

不具合が発生し、対策として部品変更を行う。2部品のうちどちらを変更しても、効果・コストで同じ。手配先が別メーカーとなると、何かと文句を言うメーカーの部品は変更せずに比較的協力的なメーカーの部品を変更したくなるもの。
協力的なメーカーは大事にしたいもの。

また、変更すると極端に精度が悪化するメーカーもあるようで、機能以外のことにも気を使って変更するのは大変なことながら、結果はよくなることもある。

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