第4回 技術の継承

技術の継承とはたくさんの仕事をこなすこと

技術の継承、云々の話がマスコミ等でよく論じられているが、技術など継承は出来ない。
技術は、必要だから身につくのだ。
金型の技術が日本が一番なのは、日本の金型は、世界で一番、安くて早くて美味いからだ。

仕事を取り、100型、1000型、1万型と金型を作って初めて技術は身につく。
学校や、理論では技術なぞ、身につかない。
つくってつくってつくりまくる。
ともかく金型を朝も夜も昼も盆も正月もつくる。
残業して、徹夜して、ラインに間に合わせるまで必死につくる。
これこそが技術を身につける唯一の方法である。
たくさんつくるうちに、こうした方が良い、ああした方が良い、と議論し、より早くつくるためにどうしたらいいか、ということがわかるのだ。
この金型は、今の時間で限界だと、壁を作った時点で終わりだ。
より、高品質に、短納期に、低コストに・・・一型つくるごとに成長していくことが、モノづくりの技術を高めていく。
どうしたら仕事が楽に早くできるか、これを考えることは楽しいし、それが結果的に儲かることに繋がる。

今までは一型7日かかっていたのが、5日で、3日で24時間で・・・短くつくることはとても重要である。
もちろん、研究開発などは、じっくり、ゆっくり、少しづつ、よく考えて進めなければいけないものもある。
しかし、ゆっくりトロトロやっている時間はないのだ。

NHKのプロジェクトXを観ていると、どんな発明をした人も必死に努力してましたよねぇ?
立ち上がりの一ヶ月は会社に泊り込みで家に3日間しか、帰らなかったとか・・そんな話ばかりだ。

スタジオジブリの宮崎駿監督は、映画「もののけ姫」製作時に1年で3日しか休まず、毎日、14~5時間労働で2年間働き続けた。
その結果、あの傑作アニメが出来たのである。
そして、宮崎監督は、引退宣言をした。
理由は疲れたからだ。
しかし、その後、「ハウルの動く城」「崖のうえのボニョ」の2作品をつくり、心配していたファンを楽しませている。

技術の継承は、たくさんの仕事をこなすことで継承できるのである。

技能と技術の違いは企業文化

技能は、個人に身に付く
技術は、個人に身に付いた技能の総合体である。

例えば、宮崎駿やウォルトディズニーの技能を受け継ぐのは無理だが、スタジヲジブリや、ディズニーには確実に企業としての文化が残る。その文化を技術と言う。

岡野工業の技術は、岡野社長の技能に占める割合が多く、継承するのはものすごく難しい。
樹研工業の技術は、企業文化に松浦社長の理念が行き渡り、社員が継承出来て行くだろう。

この違いは、大きい。
日本の製造技術を次世代に継承していくには、企業文化を育てる必要がある。
日本の製造業各社は、ともかく社員の教育を徹底して行わなければならない。

製造業社員教育の最たる教育方法の権威は、松下幸之助と本田宗一郎の2大経営者のやり方が、対照的であると同時に、もっとも社会に受け入れられているものであろう。

教育理念は、経営者が打ち出した、企業理念に基づき、考え方が違う。

一つだけ共通するのは、お客様の満足を常に意識して、社会に貢献していく、という点である。

NCネットワークで、この技能の共有化をインターネットという仕組みを使っているのが、技術の森である。
日本中のの技術者がひとつの問題を抱えていることを共有化し、早く問題解決をする。
ぜひとも、この技術の森を通じて、日本の製造技術を一歩でも二歩でも進めていただきたい。

技術の森というコンテンツは、NCネットワークが誇る技術共有の場だ。
もともとは、掲示板からスタートした。

会社情報の登録の仕方

基本情報だが、加工分野、貢献している業界、素材の範囲、企業の特徴、CAD/CAM情報など、単純に登録してほしい。

お客様が最初に見るのは、この基本情報だ。
基本情報がキチンと書けてなければ、お客様はすぐ次の会社の検索に行く。

隣のラーメン屋に客を取られちゃう。
隣のラーメン屋はディスプレイが綺麗で入りやすい。
うちのラーメン屋は汚くて入りずらい。
うちのラーメン屋が本当は美味いけど・・・。

でも、隣のラーメン屋も味を研究してまっせ。
お客さんがどんどん入ると技術があがって美味しくなるかもね。

会社情報の登録の仕方に戻る。

発注元のメーカーさんが、御社を探しに来る時は、急いでいる場合が多い。もちろん暇でネットを眺めている方もいると思うがこういう方からは発注は来ない。

急いで探しているから発注の可能性があるわけだ。

既存の協力企業が品質が足りない
2ヶ所以上の場所で協力企業を探したい
緊急でつくりたい
既存の協力企業が忙しくて手一杯
既存の協力企業ではない技術を探している

etc・・・ネットで検索をかける場合は、上記の理由が多い。

そして、上記の場合はすぐ成約するケースが多い。

そのための手法は、単純明快に自分の会社のPRをすることである。
美辞麗句、誇張装飾、誇大広告は厳禁だ。

製造業は品質第一の業種であるから、自分が出来ることを簡単に書くことが重要である。

技術の森

技術の森

金型掲示板、機械加工掲示板、CAD/CAM掲示板等を利用して、知識の共有化が一部出来ていったが、システムでこの共有をさらに進められないかと考えて出来たコンテンツだ。

利用は無料で開設しているので、ただで利用いただいているが、不況で経費削減の風潮で広告料が少ない現在の運営に関してはだいぶ苦労している。

広告を出していただける企業は、ぜひともお願いします。

日本の技術の共有化のために・・・

第4回 まとめ

つくって、つくって、つくって、(もういっちょ)つくって、つくりまくる

仕事があって、技術の継承が出来る。そのために仕事を取る(営業する)

関連項目

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