2.宣伝広告と広報の違いを知ることが第一歩です

新聞に載るための手段は何でしょうか。業界誌に載るための手段は何でしょうか。

宣伝広告?

そうですね、宣伝広告費を広告代理店やメディアに支払うことで、確実に商品や企業の広告を掲載できます。

もうひとつ聞きなれない言葉かも知れませんが、「広報」を行うことでもメディアに掲載することも可能です。

「広告」と「広報」、言葉が似ているため混同しやすいですが、分かりやすい新聞の例で違いを解説してみましょう。

皆さんが普段読んでいる新聞は、実は大きく分けて「記事」と「広告」から成り立っています。

「記事」は、例えばメーカーが新しい商品を発表したことや、新たなエネルギーの開発に着手したことや、業務提携、M&A、決算時期になると業績発表などが載っています。

「記事」は、企業側から発信・発表された情報(プレスリリース)をもとに、新聞記者が新聞のスペースに収まるように記事にします。

ですから、文章は第三者が書きますので客観的になりますが、企業側が伝えたい情報がそのまま掲載されるとは限りませんし、記者が読者に伝えたいと思うインパクトのある情報ではないと、記事にはしてくれません。

この企業がメディアに情報を発信する活動を「広報」と呼びます。

一方で「広告」は、新聞の下部にあり(たまに全面広告と言いまして新聞1頁を使った広告もありますが)、企業側がそのスペースを買って売りたい商品を宣伝します。

文字だけではなく、図や絵、目を引くキャッチコピーなどが特徴です。

広告ですから、企業が伝えたい内容がそのまま掲載されますが、内容は主観的になります。

さて、ここで質問ですが、普段、皆さんが見ているのは、「記事」でしょうか、「広告」でしょうか。

言い換えますと、皆さんの会社から新聞社や新聞記者に情報を発信して新聞の「記事」にしてもらうのと、多額の宣伝広告費(新聞にもよりますが、数百万円が相場です)を支払って「広告」スペースに宣伝広告が出るのは、どちらがお得でしょうか。

また、新聞では「記事」と「広告」というものがスペースで分けられていましたが、これは雑誌なども同じことが言えます。

雑誌の中身は、雑誌の編集者やライターが企業から情報をもらって書いた「記事」もあれば、企業が雑誌の誌面を買っている広告も載っています。

テレビはどうでしょうか。報道や特集などはテレビ局が企業に取材して番組を構成しています。番組の間に流れるCMは企業がテレビの枠を買って広告を放映しています。

インターネットのメディアも同様で、記者が企業から発信された情報により記事を書いていますが、バナーに代表される広告スペースもあります。

このように、ほとんど全てのメディアは、メディア側の記者が書いた「記事」と企業がお金でスペースを買った「広告」で構成されています。

それでは、皆さんの会社のことをメディアの記者の方が記事にしてもらえるよう、次章以降で詳しく「広報活動」について、解説して参ります。

一般的に言われている広報と広告の違い

 

広報

広告

メディアの担当部門

編集局、報道局(記者)

広告局(営業)

記事掲載面(新聞、雑誌、ウェブ)

記事

広告

放送中(テレビ、ラジオ)

報道、番組内特集

CM

情報を掲載する決定権

メディア

広告出稿主

発信主体

メディア(コントロール不可)

広告出稿主(コントロール可)

内容

事実

自己主張

コスト

低い

高い

読者・視調査の受ける印象

客観的で信頼性が高い

主観的で信頼性が低い

出典元:井上岳久著「無料で一億人に知らしめる門外不出のPR戦術102」から抜粋し加工

新規会員登録