第11回 全3回 社内改革の成功事例に学べ人が集まり定着する会社と
人が去って行く会社の違い(第2回) 

 

人が集まり定着する会社作りとは

お元気ですか。中央人事総研の大竹です。組織活性化および社員のモチベーションアップを仕掛ける人事制度設計が得意で、
中小製造業のクライアントの問題解決のために日々奔走しております。前回は、人材に関する3つの悩みを中心にお話をしましたが、
第2回目は、「人が集まり定着する会社とは」について筆者の100社以上のコンサル経験を通じて、お話をします。よろしくお願いします。
大竹英紀執筆 「近代中小企業 28年5月号特集号」より一部抜粋 発行:中小企業経営研究会

人が定着する10の指針

筆者の100社以上のコンサルティング経験を通じて、実際に「人が集まり、定着する企業」の共 通点や体制、仕組み、活動を
「チェックリスト」として図にまとめました。この10のチェック項目を、大きく5つの視点で分類すると次のようになります。

人材採用・定着化のチェックリスト

①経営理念は社員の仕事の拠り所となっているか

②会社のビジョンを機会あるごとに社員と共有しているか

③採用すべき人材像を毎年、毎回明確にしているか

④採用活動は総務だけでなく全社員協力できる体制になっているか

⑤育成ビジョンが明確であるか(入社してからこういう社員に育って欲しいという期待像がある)

⑥節目、節目で教育をやっているか(昇進・昇格するときに必ず行う)

⑦新人社員の教育は全社員で取組んでいるか

⑧社員の仕事振りをきちんと評価する仕組みはあるか

⑨評価結果を必ず社員に直接口頭で伝える仕組みはあるか

⑩社員同志、問題点を共有したり、話し合う場はあるか

1 経営理念・ビジョンの浸透度(① ②)
2 採用体制(③ ④)
3 育成・教育(⑤ ⑥ ⑦)
4 評価(⑧ ⑨)
5 コミュニケーション(⑩)

この5つの視点が大変重要であり、どれか一つでも欠けてしまうと「人が集まり、定着する企業」 から遠ざかることになってしまいます。
中でも、特に重要なのは、以下の「② ③ ⑥ ⑨」の4項目になります。

②会社のビジョンを機会あるごとに社員と共有しているか
これは社員の定着率を高めるための施策です。会社の将来の姿やイメージを社員に伝えることで、社員自身の将来の仕事のイメージを
描きやすくなります。それは、自分の人生設計とリンクしたライフプランを作ることにもつながります。  弊社クライアントの取り組みでは、
中期経営計画の発表後、社員に「自分の3年後の私」というテ ーマで人生プランを書いてもらっています。

③採用すべき人材像を毎年毎回明確にしているか
まず、人事的には「人材の等級制度を導入し、各々の等級で会社が期待すること」を明らかにしま す。例えば、入社3年目の社員(2等級)の
期待される事項は「OJTの担当ができ、実際にその行 動をしている」「定例業務を人に教えることができる」です。
入社1年目(1等級)の期待される事項は「きちんと約束を守れる」 「素直で真面目である」「社 内になじめ、協調性がある」などです。
そこでこれを新卒の採用要件とします。こうすることで採用 要件が明確になり、採用率がグンと高まります。

⑥節目、節目で教育をやっているか
多くの中小企業では主任、係長、課長に昇進する前後に、教育を施す仕組みがありません。よって 管理者になっても自分の役割を
わかっていないケースを散見します。社長からは言われないし、自分から聞くこともしません。しかし、課長ともなれば時に部下を叱咤激励し、
目標に向かって力強く引っ張っていくリーダーシップが必要になります。よって、少なくとも課長職には、社長自ら登壇して、「管理者の役割」に
ついてじっくりと膝をつめて話をしてほしいのです。

⑨評価結果を必ず社員に直接口頭で伝える仕組みはあるか
社内での不満の一つに多いのが、「評価がきちんとされていない」です。
自分は懸命にやっているが、いつも評価は平均の3である。評価の結果も直接上司からは聞いたことがない。
どうせ社長が最後には一方的に決めてしまっているんだろう…。  この結果、不満を持つ社員はいつしか会社を去ってしまうことになります。
そうならないためにも、 必ず直接、本人に上司が評価結果を伝えてください。これを「成長対話」と言っています。
これにより、上司と部下のコミュニケーションギャップが格段と改善されます。

(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀

 
 
 
 

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