第14回 製造業 社員を巻き込むといってもどうしたらいい

 

お元気ですか。中央人事総研の大竹です。組織活性化および社員のモチベーションアップを仕掛ける人事制度設計が得意で、
中小製造業のクライアントの問題解決のために日々奔走しております。 前回に引き続いて、「経営計画に関心が少ない社員を
どう巻き込むのか」についてお話をします。製造業の皆さんにもとても参考になる事例です。 今回も よろしくお願いします。
(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀 )

社長の作った経営計画 社員を巻き込むにはどうしたらいいのだろう・・・。

前回は、「他人事から自分事へ」の転換が経営計画を浸透させるカギだといいました。
実際に、何人かの方から、
「それを忘れていました」「良いヒント、やってみます」「次は具体的にどうするのですか」
などといくつかの質問を頂きました。

それで、社長さんが作った経営計画をいかに部下に浸透させるかが重要なポイントです。
人事以外で2番目に実はこの経営計画についての相談が多いのです。
もちろん、経営計画の中身も重要です。

社長が売上○○%アップ、利益を○○億円達成という点を会社の成長について期待感を
持ちながら話をされることが多いと思います。しかし、その数値が一人歩きするのです。

多くの方針発表大会では、このような数値の提示が多く聞かれます。
その根拠はもちろん、重要ですが、もっと重要なことがあります。

自分にとってどんな意味があるのか


「じゃ それで何なの・・・」

それは、その数値目標は「自分にとってどんな意味、価値があるのか」
と言うことです。
言い方を変えるとどんなメリットがあるのかということです。

その目標が達成出来たら、自分はどうなるのか
○自分の給与はどう上がるか
○仕事はどう変わるのか
○能力はどう身につくのか

ですから、多くの企業は、人事評価を導入して、ルールに基づいて昇給、賞与を支給する。
社員教育をして、能力を習得させる。そして、いろんな仕事が出来るようにさせようとしています。
そうすることで、自分への意味付けは理解でき、「よっし、これなら頑張ろう」と思う人が増えるわけです。

しかし、それだけでは長続きはしないことがよくあります。会社側からの押しつけだけでは
継続できないことが多いのです。


前回お話しした自ら自分を変えないと「他人事から自分事へ」の転換が厳しいのです。

自分ならではの目標を持つこと


継続させるには、何かが足りないのです。
それは、自分ならではの「目標」を持つことです。

自分ならではとは、会社の中で、自分の立場や役割は何か、その役割を達成
するために自分は、何をすべきか、したいのかを決めることです。

それが自分ならではの目標になります。
経営計画の中で、自分が属している
部門目標があるかと思います。その部門目標の達成の
ために自分はどんなことができるのか、すべきかを自問自答することが必要です。

「今、私は何ができて、何ができていないのか」
「ならば、自分はこれから何をすべきか」
「では、そのために今年はこんなことに挑戦しようかな」
と自分でいわゆるセルフコーチングです。

もちろん、最初は簡単な目標でもいいかと思います。
段々とレベルアップしていき、2,3年くらいしたら相当なチャレンジ目標ができるはずです。
そうすることで、本人の成長が期待できるはずです。

しかし、現実はそう簡単にはいきません。

実際に、社員が目標を毎年、設定して、その目標を回している会社は多くはありません、
中小企業ではどうでしょうか、3割くらいあれば良いところでしょうか。

なぜ、そうなるのでしょうか。
「目標を立てても、うまく回らない」
実はそれは会社の仕組みと上司のあり方に問題が潜んでいるのです。
ということで、次回はなぜ、目標がうまく回らないのか、その回し方のポイントについて
お話をしますね。

 

(執筆者: ㈱中央人事総研 代表取締役 大竹英紀

 
 
 
 

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