1-3 プレス機械の呼び方と機能

(1) 呼び方

通常プレス機を判別する場合、そのプレス機の有する加圧能力で表す。(Ton)

現在市販されているプレス機で弱電関係が主に使用しているTon数によるラインナップは、25, 30, 35, 45, 50, 55, 60, 80, 100, 110, 125, 150, 160, 200, 250, 300, 400, 500, etc
(機械メーカー及び機械種類により異なる)

加工メーカーは全ての機種(種類)を揃えることは出来ないので加工品の特性、用途により数種類を選択して保有する。

(2) 機能

連続ストローク数(spm)=1分間で加工出来る数量

実際の出来高については、金型交換時間と単発作業では製品を金型への出し入れする時間、順送作業ではコイル材の交換時間等がプラスされる。
抜きのみの場合は高速で加工することが出来るが、曲げが高い等の複雑形状加工の場合は低速で加工する。
ストローク数は固定されたプレス機と可変式のプレス機がある。

連続加工

単発加工

ストローク長さ=スライド(上型を取付ける)の可動距離

ストローク長さの短いプレス機は抜き及び曲げ高さの低い製品加工に使用する。
ストローク長さの長いプレス機は深絞り加工、曲げ高さの高い製品加工に使用する。
また、単発作業やロボット作業の場合も製品の搬出入の都合によりストロークの長いプレス機を使用する。
順送作業の場合通常曲げ高さの3倍以上のストローク長さを有するプレス機を要する。

精度

プレスの精度は、上・下型に正確な相対運動を与えられるか否かということになり、加工品(製品)の精度に影響を与えるのみでなく金型寿命にも直接影響する。

高速精密プレスの場合、高速運転によりフレームの熱膨張が発生し金型の当たり具合が変化するのを防止する装置(ヒートアンドクール)がオプションまたは標準で用意されている。

私の失敗談
  • 金型が完成し一発目のトライ。下死点でプレスが停まってしまった。
    必要圧力を計算したら350Tonもあった。
    当社には300Tonプレスが最大。
    →工程分けは認められず、抜きパンチに段差を付ける工事が発生。
  • 曲げ線の長い製品で手前側の直角が出ない。
    →Cフレームのプレス機で作業した為プレスが口開き状態。製品の手前部分が決め押しがされなかった。
  • 曲げの高い製品の金型をプレス機に取付、曲げることは出来たが製品が取れない。
    →プレスのストローク長さより曲げ後の製品の方が長かった。

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