第8回 ヤマダ・エンジニアリング

( 初出:日刊工業新聞社「プレス技術」第36巻 第12号(1998年11月号))

執筆者 内原康雄

今回の「デジタル・ファクトリー」はホームページに焦点をあて、愛知県豊橋市で金型製作を営むヤマダエンジニアリングを紹介する。社長の山田氏からは「うちはファクトリーではなく”工房”です。数ある金型屋のなかでうちを紹介していただけるのは光栄ですが、該当しないのでは…」と返事をいただいた。しかし、ホームページの活用事例としてぜひ、と再度お願いしたところOKをいただいた。
ヤマダエンジニアリングは山田氏の言うとおり、社長1名で金型を製作している金型工房である。自動車部品、弱電部品、建築部品等、プレス金型に関しては単発、トランスファー、順送型を一人でこなす。
「もともとは、プレス屋の金型部で設計を12年やっていました。現在も半分趣味みたいなもので金型屋を続けてます」と山田社長。
趣味と仕事の一致は強い。日本の金型業界はピラミッッドシステムの裾野部分での活躍があってこそ、成立していることを実感した。

ホームページの紹介

ヤマダエンジニアリングの金型製作システムはいたってシンプルである。山田社長がCADを描き、フライスで穴明け、ワイヤーで形状加工。部品加工、研削加工、そして組み込み、トライとなる。「ちょうど、バブルがはじけるころ、当社は設立しました。機械の償却も済んだし、あとは地道にやってくだけです」と、山田社長の発言はいたって謙虚である。それでは山田社長のホームページを見ながら、個人が発言できるインターネットの活用方法をご紹介しよう。

(1)ヤマダエンジニアリング

ヤマダエンジニアリングの設備紹介等。

(2)がらくた市

プレス金型や金属プレス製品を各種紹介。

(3)はなのあぶら

”金型屋さんのノウハウ”の紹介ページ。金型屋さんのちょっとしたアイデアが多数掲載されている。このページは金型製作の技術ノウハウの後世への伝承の意味で非常に重要なページである。

(4)型Q

プレス金型とは?の問いに答えてくれるページ。ホームページの特性の一つ、アニメーションを多用して紹介している。初心者には格好の入門材料となる。

(5)PD MAT

ホームページのアニメーションや絵の素材集。貴重な素材が公開されている。

(6)リンク集

山田社長推薦の他のホームページとのリンク集。

(7)更新履歴

ヤマダエンジニアリングのホームページの履歴が一目でわかる。

(8)メール

ヤマダエンジニアリングへ電子手紙を出すにはこちらから。

まとめ

紹介してきたとおり、ホームページの特性を最大限に生かしたヤマダエンジニアリングのページは山田社長の職人としての一面と、デザイナーとしての一面が溢れている。
山田社長のホームページを見ると、まさに金型職人としての山田社長のノウハウが詰まっているといえる。
では最後に山田社長から「プレス技術」の読者に対してのメッセージをお伝えする。
「プレス、プレス金型というジャンルは、インターネット上では情報量も少なく、非常にマイナーなジャンルです。しかし将来的には確実に製造現場においても必ず必要なものになるのは間違いありません。製造業にとってきびしい時代、私はいろいろな意味でインターネットを生き残りの為のツールと考えています。そのひとつが情報ではないでしょうか。プレス金型ネットワークであらゆる情報が取得できることを望んでいます」
10月1日にはヤマダ・エンジニアリングのホームページも開設1周年記念を迎えた。今後も日本金型業界の偉才として、更なる発展を期待したい。

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