2-1 プレス作業の種類

プレス作業には下記の作業に分類される。
実際の作業では下記の単独作業を行う場合と複数の作業を同時または連続に行う複合作業があり工程短縮を図っている。

プレス作業

せん断加工

他のプレス加工は材料の弾性限を越え破壊限以下の外力で加工を行うがせん断加工は破壊限以上の外力を加えて行う。

せん断作業切断する(shearing)
打抜作業板から必要な形を抜く。(blanking)
穴抜き作業板に穴を明ける。(punching)
シェービング縁仕上げ。(shaving)
トリミング縁を切る。(trimming)

曲げ加工

材料の中立軸の片側に引張り力、対する片側に圧縮力が作用する加工。

折曲げ作業折り曲げる。(bending)
カーリング縁を丸く曲げる。(curring)
ヘラ絞り作業薄板の容器を作る。(spining)
張出作業容器を膨らませる。(bulging)
バーリング穴の回りにつばを作る。(burring)

絞り加工

材料が引張応力をうけて加工される。

絞り作業板から容器を作る。(drawing)
しごき作業容器の厚さを薄くする。(ironing)

圧縮加工

材料に圧縮力が働いて加工される。

寸法決め作業厚さを一定にする。(sizing)
圧印作業表面に模様を付ける。(coining)
浮出作業表裏に模様を付ける。(embosing)
すえ込み作業断面を大きくする。(upsetting)
すくめ作業直径を減少する。(swaging)
押出作業型を通して寸法・形状を決める。(eatrusion)

金型名は通常上記作業名の後に型をつけて呼ぶことが多い。

[例]
穴抜型=穴明けのみを行う型
曲型=曲げのみを行う型
穴抜バーリング型 =穴明けとバーリングを同時に行う型
曲エンボス型=曲げとダボを同時に行う型

但し、業種により呼び方は異なり自動車関連ではピアス型と云った英語での表現が一般的のようです。

CADの功罪
私が、金型設計を始めたのは30年程前。当時はドラフターさえ買えず製図板に方眼紙を置き定規で描いた。アーム式のドラフターをやっと買ってもらったときは随分楽になったが、それがトラックタイプと贅沢になり今はそれすら使わない。
図面を描くスタイルは様変わりし、まるでテレビゲーム感覚。
設計がテレビゲームの如く出来るのは、益々単独作業となる。早く描ける分考えなくなり驚くようなミスも発生する。教育や技術継承も難しい。と私は批判的。

立場上、もう図面は描けないがそれでもたまには設計をしてみたい。
が歳とともに、近くが見えなくなり方眼紙の目が見えるまで離れると手が届かない。
仕方なく、自分用のCADを購入したが意外と楽しいし楽に図面が描ける。

CADを操作して思ったこと。(図面を描くと云う表現は死語になる)

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