第13回 小規模企業設備資金貸付制度-資金調達

会社設立後間もない場合、設備投資意欲があったとしても金融機関から必要な融資を受けることが困難な場合が多いです。中小企業の育成は、日本にとって重要であるため、設備導入を行う小規模企業者等は、都道府県中小企業支援センターから、設備購入代金の半額を無利子で融資を受けることができる制度があります。

1. 対象者

(ア) 常時使用する従業員数が20人(商業・サービス業は5人)以下の小規模企業者
(イ) 常時使用する従業員50人以下の会社及び個人((ア)の企業者を除く。)の内、次の要件を満たす者
① 銀行法第2条1項に規定する銀行(信用金庫、信用組合、農協、漁協を除く)、株式会社日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫にかかる資金を除く)、株式会社商工組合中央金庫及び株式会社日本政策投資期銀行からの借入金残高が3億円以下であること。
→いわゆる銀行からの借入金残高が3億円以下であること。
② 直近3事業年度の経常利益の平均額が3,500万円以下であること。
③ 大企業からの出資等の割合が単独で3分の1を超えていないこと。
(ウ) 1ヶ月以内に創業(会社を設立する場合は2ヶ月以内に設立)する方、創業後5年以内の方で(ア)又は(イ)に該当する方

2. 支援内容

(ア) 貸付対象設備
貸付対象設備は、以下の設備です。ただし、土地及び建物(小売業等の店舗の内装工事及び外装工事を除く)、賃貸用の物品等その他特別の理由により対象とすることが適当でないと都道府県知事が認める設備は対象となりません。
① 創業者が事業を行うために必要な設備
② 小規模企業者等が経営基盤を強化するために導入する設備であって、次のいずれかに該当するもの
a) 導入により、企業の付加価値又は従業員一人当たりの付加価値額が一定以上(5年間で10%以上)向上すると見込まれる設備
b) 公害防止等設備として定められている設備
(イ) 貸付限度額
以下の例外を除き、借主当たりの貸付金額は4,000万円以下で、貸付割合は所要資金の1/2以内です。
<例外>
① 創業後1年以上の創業者
貸付限度額6,000万円(所要資金の1/2以内)
② 産業活力再生特別措置法による経営資源活用新事業計画・新事業活動促進法による経営革新承認企業者
貸付限度額6,000万円(所要資金の2/3以内)
③ 中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律による農商工等連携事業計画の認定企業者及び企業立地の促進等による産業集積の形成及び活性化に関する法律の承認企業者
貸付限度額6,000万円(所要資金2/3以内)
④ 商店街活性化事業計画の認定を受けた商店街振興組合等の組合員又は所属員である小規模企業者等
貸付限度額6,000万円(所要資金2/3以内)
(ウ) 貸付利率
無利子
(エ) 償還期間
7年以内(公害防止等設備は12年以内)
据置期間1年以内の年賦、半年賦又は月賦の均等償還
(オ) 担保又は保証人
連帯保証人又は物的担保(抵当権、譲渡担保等)が必要です。

3. 利用方法

(ア) 都道府県中小企業支援センター宛に貸付の申込みを行います。
(イ) 都道府県中小企業支援センターが、書類調査、企業診断等を行います。
(ウ) 貸付審査を経て、貸付内定を通知します。
(エ) 貸付要件確認調査を経て、貸付を決定、貸付金を交付します。

4. 問い合わせ先

・都道府県中小企業支援センター(各都道府県にあります)
・(財)全国中小企業取引振興協会
 電話:03-5541-6688
 HP:http://www.zenkyo.or.jp/
(本事業を実施していない都道府県がありますので、お問い合わせ下さい。)

執筆者紹介
大井 宏明(おおいひろあき)

株式会社ルーキー
代表取締役社長

公認会計士。慶應義塾大学経済学部卒業。1999年から監査法人トーマツにてベンチャー企業の株式公開支援業務、法定監査業務、その他各種コンサルティング業務に従事。2005年末に監査法人トーマツ退社後、2006年初から上場準備企業の取締役CFOに就任し、上場準備業務の統括責任者となる。2008年株式会社ルーキーを設立、代表取締役社長に就任。経営戦略立案や社内体制整備等の各種コンサルティング業務を実施している。
株式会社ルーキーホームページ:http://rookie-japan.com

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