【第2回講座】ISO9000で何が変わるのか

第2回目のテーマは、「ISO9000で何が変わるのか」について、実際に認証を取得された中小企業の経営者や認証取得プロジェクトメンバーの声を中心にお届けします。

ある経営者の声:「自分の会社において何が問題点なのか、取得活動を通じて思い知らされた。」

これは、どのような意味を持つのでしょうか?
品質保証システムの構築とは、従来の業務であいまいだった部分を含めて、すべて洗出し、明確に再定義する事が重要です。当然、経営者の認識とのズレも明らかになり、「こんな無駄な作業を行っていたのか」と唖然とする経営者もいます。
このような活動を通じた、経営者自身のマインドの変化(意識改革)がISOで変わるもっとも重要な点かもしれません。

あるプロジェクトリーダーの声:「あいつにこんな才能があったのか。」

これは、内部品質監査でよく聞かれる声です。
ISO9000の特徴として、品質保証システムのダブルチェック機能があります。 この機能の一翼を担う内部品質監査において、チームリーダーに若手を抜擢すると、周囲の心配をよそに積極的に取組みリーダーとしての責務を立派に果たすことがよくあります。この事で社員のかくれた(意外な)一面を発見したと語る経営者は少なくありません。環境(ポジションと言ってもよいかもしれません)が人を育てる、これはある意味で真理かもしれません。
ある経営者は、認証取得を機に業務においても若手の抜擢を行い、社内のモチベーションが大いに高まっているそうです。これもISOで得られた大きな変化(成果)と言えるでしょう。

あるプロジェクトメンバー声:「みんなが自分の仕事に責任を持つようになった。」

これは、品質保証システムの運用が始まるとよく聞かれる声です。
ISOでは、記録(客観的証拠)をとる事が運用上求められます。このため、誰がいつどのような仕事(作業)を行ったか、記録で確認することができ、各々の作業者の責任感が高まる結果となります。以前によく聞かれた、不良品が発生しても、作業者の確認ができずまた社員に問い掛けても誰も答えないため、結局作業者不在で不良品のみが発生するという奇妙な現象が起こることもなくなります。
ただし、記録は原因を追求して同じような不具合が発生しないように是正を行うことが目的ですから、個人攻撃の材料としてはならないことは言うまでもありません。

その他に、

といった点があげられます。結果的に、

以上の様な効果が期待できます。

ただし、以上のような効果(変化)も、品質保証システムの構築方法によっては活かされない場合が多いのも事実です。

次回は、ISOを活かすための「品質保証システム」の構築方法についてご紹介します。

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