CAD/CAM座談会・第1弾~射出成形金型編~

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PDQはまだ浸透していないのかな。やはりデータのやり取りは困っていますか?

松田 :

言ってもしょうがない部分もあります。現場も汚いデータの扱いが慣れてきて、違うソフトで対応したり。

家田 :

社内でのやり方ですが、最近は3次元で設計して断面にしたものを2次元に渡して図面を描いているのです。現場も図面があるのに慣れてしまっていますから、後で修正があった時になんで図面を描いていないんだ、となる。皆さんのところはどうですか。

中野 :

私どもは1人が2次元と3次元を両方使えるシステムで、必要があれば2次元で図面を描いています。

松田 :

3次元のメリットは図面化しなくてもいいところ、といっても結局無理なんですよ。根っからの職人集団で、現場は動けない。

松井 :

2次元に対してはかなり愛着があるんです。慣れているし使いやすい。今までやってきたやり方をちょとでも崩そうとすると社内に抵抗がある。紙図面から2次元になったときにもやっぱり抵抗はあったわけですよね。今、ある程度猶予期間を置いて2次元のCADは棄てる話をしています。2次元図面は必要な部分だけ出す方向にしていきたい。

松田 :

これも時代の流れで、2次元で設計を完璧にやってきたところとそうじゃないところの、3次元化に対する現場の受け入れやすさが違うんじゃないか。

岩壁 :

それはアジアの金型にも言えることだと思う。

松井 :

あと3次元で新人を育てていく場合問題になると思っているのは、形を理解するのが簡単にできて頭で想像することが少なくなること。一体これはどんな大きさなんだろうという感覚がつかみにくい。それで図面を出すのも大切だと思った。

皆さん、CAD/CAMをいろいろ使い分けていますよね。それはどうしてですか。

中野 :

やはり昔から使っていたので、歴史に応じて増えていきました。

松田 :

商社さんとの付き合いもありますね。

松井 :

簡単に全部入れ替えるわけにもいかないですよね。

岩壁 :

1人でやるよりも2人でやれば、こんな使い方もあるのだという閃きがある。同じシステムで台数を増やすのはプラスなような気がします。

松井 :

保守料は考えてほしいですね。

岩壁 :

1台買っても10台買っても、1台当たりの負担は同じですからね。

松井 :

だから2年以降になったら安くするとか、質問の回数でサポート料が違うとか。そういうのは作ってほしいです。

※ PDQ(Product Data Quality)
CADデータの品質向上。品質の悪いデータを手直ししたり出し直しすることで発生する損失を少なくすることが目的。

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座談会参加者一覧( 敬称略 )

コーディネーター

株式会社
日本デザインエンジニアリング

株式会社日本デザインエンジニアリング 代表取締役 岩壁 清行

代表取締役
岩壁 清行

有限会社
中野金型彫工舎

有限会社中野金型彫工舎 常務取締役 中野 誠

常務取締役
中野 誠

松田金型工業
株式会社

松田金型工業株式会社 専務取締役 松田 雄一

専務取締役
松田 雄一

株式会社
モルテック

株式会社モルテック 代表取締役 松井 宏一

代表取締役
松井 宏一

日本彫研工業
株式会社

日本彫研工業株式会社 工場次長 家田 護

工場次長
家田 護

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