特集:「食」のものづくり

株式会社 本間製作所

株式会社 本間製作所

オンリーワンの信頼

株式会社 本間製作所

極小クリアランス2μm以下の精密金型の設計・製作や部品加工に特化し、金型界でトップを走る本間製作所。創業以来、大手マグネット会社からの仕事一本だった同社が食品分野の金型に進出したのは、バブル崩壊で売上が半減したためだった。

「食品は生活必需品だから、比較的安定しているだろう」その時ちょうど食品業界に強い人材が入社したことも大きな要因となり、新たな挑戦が始まった。経営の読みは見事に当たり、いまではマグネットと並ぶ事業の柱となった。

例えば、波打った素材や、中に温かいものが入ったパッケージをカットする。炊きたての白米を容器に入れ、フィルムの封をして断裁する「サトウのごはん」などはその典型だ。トラブルの元になる因子はたくさんあるが、本間の金型ならピタリと決まる。バリも出ない。

同社の強みは、食品メーカーから「本間の金型で」と指定がくることだろう。成体機メーカーは、それぞれ自前の金型をつけているが、その精度には差がある。金型を別途作ると、特注となるので、確かに初期投資は高くなるが、仕上がりのよさと高耐久性によるランニングコストを総合的に判断すると、全体的な生産性はアップする。そして、パッケージにも品質を求める消費者の欲求を満たしてくれる。この実感をもつ食品メーカーが、指名してくれるのだ。

クリアランス1μmを追求

ここまでの高品質な金型を作る秘訣は、どこにあるのだろうか。

株式会社 本間製作所

CAD/CAMを扱うことができ、金型製作の現場経験が豊富な営業担当者が、まず食品メーカーでニーズを聞き取り、要件をすり合わせして行く。次に、設計のスペシャリストが仕様の詳細を詰める。そして、金型の形状が決まった段階で、成体機メーカーがライン全体の設計を開始する。金型がいくらよくても、それを支える土台が貧弱では、金型の威力が発揮できないからだ。もちろん客先にはクリーンルームでの使用を推奨する。こうした総合的なノウハウをすべて注ぎ込み、位置精度を限りなく1μmに近づけ、加工後の仕上がりを安定させて行く。

ユニット化によるメンテナンス

株式会社 本間製作所
高精度の位置決め治具 ホンママルチチャック

しかし、耐久性が高い金型とはいえ、いずれ寿命は訪れる。初期の設計と同じくらい重要なのが運用後のフォローだ。国内でのメンテナンスでは、必ず技術者を派遣し対応するが、海外の場合はそうはいかない。そこで、金型の部分をユニット化し、心臓部を直接触らなくてもユニットごと変更すればメンテナンスができるように、金型部分をハード化して対応している。

このように高性能なだけでなく、ワークの段取りの標準化、時間や作業コストの削減という需要も満たす努力を怠らない。2009年に自社ブランドとして発表した高精度位置決め治具「ホンママルチチャック」はその代表格だ。

こうした発想や、それを実現する技術は、言われたままを作る下請けではなく、常にユーザーと共に培ってきた企業の力そのものだろう。

 

株式会社 本間製作所

設立

1941年

所在地

〒360-0843 埼玉県熊谷市三ヶ尻5361番

TEL

048-532-6551

FAX

048-533-1608

URL

http://www.honma-k.co.jp/

E-mail

mail@honma-k.co.jp

事業内容

精密治具・特殊金型製作の専門メーカー。

 

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