特集:ロボット・エンジニアリング

株式会社メカトロデザイン

株式会社メカトロデザイン

商社との二人三脚で最適な提案

株式会社メカトロデザイン
上:代表取締役青山浩之氏(左)
下:組立前のロボット

現在のスタッフは合計8名。そのうち6名が技術者だ。納入後の問合せで一番多いのは、導入直後の企業で「止まってしまったが、原因がわからない」というものだが、チョコ停やトラブルを減らすには、なるべくシンプルであることが鍵だという。

ロボットの導入や工場の自動化を進めるとき、多くの人は過大な夢を描き、なんでもできるようになると思いがちだが、システムが大きくなり、ロボットの動きが複雑になるほど、当然ながらバグが露見し、トラブルも増える。そこで、用途に合わせた必要なものを最適なコストで導入できるよう提案し、メンテナンスやアフターフォローもしっかりやっていくのが、同社のポリシーだ。

同社には、営業職は1人もいない。その仕組みは、商社から話が来るからだ。最初のヒアリングの段階から同席し、顧客ニーズを明確にしながら課題を浮き彫りにしていく。同社には、前職でもマルチで働いてきた人が集まっており、それぞれがロボット、電気、設計のプロでもあるため、通常であれば商社が複数企業を取りまとめていくプロジェクトでも、同社ならワンストップで受けることができる。これが強みであり、商社から頼られる最大の理由でもある。

客先でヒアリングしてきた内容を社内で揉んだ後、また商社を通して提案していく。そして、商社があってこそ技術面に専念できるという協業関係のため、たとえアフターフォローであっても商社を通した取引を続ける。こうした仁義に厚い営業方針が、さらなる信頼へと繋がっているのだ。

ロボット導入のノウハウは1日にしてならず

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部品加工は外注だが、それ以外は自社で行う

現在、地域によっては、パートや外国人労働者すら集まらない状況が起きている。社長の青山氏は、「ロボットで代替できる単純作業を黙々とこなす若い人がたくさんいる。会社に定着してもらうために、彼らをもっとスキルアップできる場所に異動してもらいたい」と考えたのが、SIerとしての使命感となったという。

同社は、積極的に規模を拡大していく予定はないが、顧客ニーズが増えていることもあるので、素質がある人材を育成したいという構想もある。求められるのは、いわば大工の棟梁のように「全体像を描ける人」だ。

同社が求める人材の育成では、「どれだけ経験を積めるか」が重要だという。顧客のニーズと世の中にあるものを組み合わせ、それにソフトを乗せて、1つひとつ丁寧に組み上げて提供する。いろいろな失敗こそが次に繋がる経験となるし、導入時には、寝食を忘れるほどの真剣さも必要となるため、決して楽な仕事ではない。それでも、顧客と一緒に未来を描き、それに近づける醍醐味は格別だ。

同社では2013年の起業後、ファナック製ロボットの導入実績が100台近くあり、青山氏はスペックをすべて把握していて、過去20年くらいにリリースされたロボットの操作パネルは、どう操作したらどの画面が出るか、すべて覚えているという。軽微なトラブルであれば、電話で解決できるのはそのためだ。そのほか、ロボット導入では安川電機製の実績があり、他メーカーのロボットも相談に乗っている。ロボットを使うのは人間。そして、ロボットのスペックと現場のニーズを合わせていくのも、やはり人間の知恵と経験によるのだ。

株式会社メカトロデザイン

所在地

住所: 〒739-0151 広島県東広島市八本松町原10620-1

TEL

082-401-4310

URL

http://www.mec-design.co.jp

創業

2013年

エミダス会員番号

92254

 

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