【タイのローカル工場】 バイオマス発電所 THUNGSUNG GREEN CO.,LTD.

クリーンな発電システムで
電力の安定供給に貢献



トゥンサン・グリーン・バイオマス発電所(TSG)は、ナコンシータマラート県トゥンヤイ郡トゥンサン村にあるTPCH電力ホールディングス系列の発電所である。2019年にはバイオマス発電の実用化および高効率化が認められ、「タイランド・エナジーアワード2019」のオングリッド電力プロジェクト部門で第2位となった。


THUNGSUNG GREEN  THUNGSUNG GREEN

写真左:ナコンシータマラート県にあるTSGの発電プラント / 写真右:燃料となるパラゴム材やパームヤシ殻


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TPCHのカノックティップ・チャンパランシー社長は次のように語った。
「タイではバイオマス(生物資源)や太陽光、風力などを活用した再生可能エネルギー発電の市場が大きく伸びています。TSGは極小規模発電事業者(VSPP)として20年間のFIT(固定価格買取制度)契約を結び、発電量9.5メガワットのうち9.2メガワットを地方電力公社(PEA)に供給しています。年間7,700万ユニットを供給し、約3億バーツの売電収入を得ています」

TSGは、パラゴム材やパームヤシ殻を燃料にして、蒸気タービンを回して発電するシステムを備えている。現在はさらに8億バーツを投資し、発送電の効率化とバランスのとれた環境管理の構築を進めている。
「燃料を効率よく燃やし、ボイラーでスチームを発生させ、その圧力で蒸気タービンを駆動して発電するシステムです。可変速交流ドライブシステムを導入して、燃料の送り効率を高めています」


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写真左:ボイラーは燃焼室(炉)と熱交換機で構成される / 写真右:発電所の安全を支える中央制御室


TSGでは環境への負荷を低減するため、静電気吸着システム(ESP)およびゼロディスチャージ・システムを採用している。前者は1ミクロン以上の粉塵を99.9.%吸着し、後者は敷地外への排水をゼロにする。またTSGの発電システムは、原料不足の問題を解決するためにマルチ燃料で作動できるよう設計してあり、燃料として年間11万トン以上の廃木材を使用している。この発電システムにより温室効果ガスの排出量を年間5万トン、化石燃料の輸入を年間8,451億BTU削減することが可能となる。


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写真左:TPCH電力ホールディングス系列のTSG / 写真右:メディア向けの見学会も行なっている

「バイオマス発電はCO2を増加させずにエネルギーを作り出すことができるクリーンな発電方法です。燃料としては廃棄されるものを利用しているので、廃棄物の残りからエネルギーを取り出して再利用することで、無駄なくエネルギーを活用できます」

 

TSGは多くの雇用を創出し、年間1億バーツ以上の収益を生み出すなど、強力なコミュニティー経済を形成している。またエネルギー省の政策に沿って発電事業を推進し、タイ南部における電力の安定供給にも貢献している。

 

 

▶︎ NCネットワークグループ FACTORY NETWORK ASIA (THAILAND) CO.,LTD. 発行
FNA 月刊 U-MACHINE』より







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