第108回 株式会社ニューテック

EV化の大変革がもたらしたWEB販促

株式会社ニューテックは、自動車、二輪の機能部品を中心に10,000件以上の試作実績を誇り、30年以上に渡り蓄積し続けた技術力で、高品質、短納期の試作品を提供している。同社はこれまで主に自動車エンジン関連の試作品・レース部品等を製作していたが、EV化の大変革に伴うエンジン部品群の試作縮小により売上の減少が続いていた。EV化による仕事の減少はある程度予測していたため、展示会にも出展し販路開拓を試みる。しかし新型コロナウイルスの影響で展示会出展の機会も失うこととなり、販路開拓の別の手段として2020年よりWEBに力を入れようと、EMIDASを導入した。

児玉社長はEMIDASについて「展示会出展はサンプルを見てもらえるチャンスはあるものの、コストが高く労力も必要だ。しかしWEBでの情報発信は情報をメンテナンスしておけばいつでも見てもらえるチャンスがある上に、今まで出会うことのなかった業界と繋がる可能性がある」と言う。もう一点、メリットについて「手厚いサポート体制がある。月一度フォローアップのミーティングを行い、アクセス動向や検索ワードを解析しながら、今後の課題や方針について丁寧にアドバイスがあるため、目標が明確になりモチベーションアップにも繋がる」と話した。

地道な積み重ねがリピートに繋がる

導入後約2年間で、技術製品情報を400ページも登録した。全国の会員企業の中でもトップクラスのページ数だ。同社ならではの「6ナイロン注形」や「消失鋳造」等の特殊なワードを登録することで、ニッチな分野を探している人に検索されやすくなった。

継続的な取り組みの結果、閲覧数は400～500/月、訪問企業は100～150社/月、受注件数や問い合わせ件数も昨年を上回るペースだ。現段階では、WEBを通じた新規受注は金額は大きくないものの継続的にあり、3回以上のリピート受注にも繋がっている企業も数件ある。WEBを活用した情報発信に積極的に取り組み、なるべく小さな案件でも対応する努力が、新規受注からリピートに繋がっている。

ニューテックでは、通信教育やセミナー実施など社員教育にも力を入れている。高度な技術が必要とされる鋳造は経験に頼りがちになってしまうため、成功も失敗も経験を積ませるのはもちろん、鋳造解析ソフトを使い技術を見える化し、能力のばらつきを減らす平準化改善にも取り組んでいる。また、技術の引き出しを増やし多くの要望や相談に対応できるよう、常に実験研究を重ね、差別化へと挑戦している。

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