第17回 株式会社 オプコ

株式会社 オプコ 代表取締役専務 高橋 良明 氏 代表取締役専務 高橋 良明 氏

株式会社 オプコ

所在地

本社所在地:名古屋市北区中丸町2-35
工場所在地:愛知県小牧市西島町97

TEL

0568-72-2131

FAX

0568-73-7551

担当者

代表取締役専務 高橋 良明

事業内容

樹脂製工業部品(主にブロー成型)の製造販売

ブロー成型で「高付加価値、高性能、ローコスト」を実現する

株式会社オプコは、愛知県小牧市でブロー成型に特化した製造を行っている会社である。短期的、長期的な目標を設定し、その達成過程でITを活用する。この取り組みについて代表取締役専務の高橋良明氏に話を伺ってきた。

オプコの歩み

先代の尾崎仙三氏は、繊維業界で商売をしようと丁稚奉公をする一方で、同時に夜学で大学にも通っていた。その時の恩師から、これからはプラスチックであるといった話を聞き、成型機を購入し、寿司や弁当で使われる一人用サイズの醤油容器の製造を始めたのである。これがプラスチックのオプコの誕生である。

その後事業の拡大に伴い、各種成型技術を取り扱う工場を増やしていったが、「他社ではちょっとできない形状や材料を製品にしなくては、生き残りはできない」と決め、射出成型などの分野は、他の協力工場に移管し、オプコとしては、ブロー成型を小牧工場で集中して行うことを決定した。これが1974年のことである。ここから「高付加価値、高機能の製品を、ローコストで提供する」という今のオプコの方針が出来上がったのである。

ブロー成型とは、プラスチックの加工方法の1つで、型にチューブ状の熱した樹脂材料を流し込み、その樹脂材料の中に空気を吹き込むことで型に押し付けて成型する技術である。

オプコは、一般的なブロー成型と屈曲パイプの成形に適した異形ブロー成型、押出機の特殊な多層押出、そして経験とノウハウを組み合わせた3次元多層成型を得意としている。軟質と硬質という異なる材質の材料を一体成型することで、コストダウン、軽量化、用途の拡大といったことを可能にしているのである。この成型方法での製品用途は主に自動車用機能部品である吸気系のホースやパイプである。これらは従来「ゴムホース」と「金属パイプ」を「クランプバンド」での組み付けて構成していたのだが、上述したように一体で製造することで構成部品を削減し、重量的にも樹脂は一般的にゴムや金属よりも軽いので、軽量化も図ることができる。また、エンジンルームの開きスペースでの設置など形状が複雑な加工にも対応可能である。

「これからは自動車部品以外での用途も積極的に開拓していく考えです。」と高橋専務は今後の方向性も睨んでいる。

今後の課題とITの活用

オプコでは、売り上げを5年で現在の倍近くまで伸ばす「5ヵ年計画」を設定し、その達成のために試行錯誤を繰り返している。「達成には、売り上げを伸ばす一方、利益も確保しなくてはなりません。すると必然的にコストダウンが至上命題となってきます。」

そこでオプコはITの活用に取り組み始めたのである。コストダウンは加工工程のみならず、オフィスのやり取りの中からでも、アプローチは可能である。オプコでは7年前からIT化を進め、現在では事務職は全員にPCを確保し、昨年は新基幹システムを導入して、「情報のリアルタイムでの確認」「社外からのアクセス」を可能にし、効率化を図っている。今後は、グループウェアの導入も視野に入れているという。仕事の受注に関しても、現在HPの刷新に取り組んでおり、最近増えてきたネット経由での引き合いを逃さないように対応を図ろうと考えている。

オプコは昨年ISO9001を取得したが、遵守項目として文書配布の際には、配布履歴書に残さなくてはならない。この無駄を省くために、オプコでは専用のメールアドレスを1つ作り、配布時にそのアドレス宛てにも送付することで配布の履歴とし管理するなど、連絡、報告のメールとは違う使い方も工夫している。

「ITは使う側がどれだけ理解して使っているかで、メリットにもデメリットにもなります。」と高橋専務は話す。メールは「送信した」=「伝わった」ではないし、システムに関しても、入力したことはやってくれるが、きちんと入力を行っていなければ、間違った結果になることもある。野放しにすれば「ペーパーレス」どころかいつの間にか「紙だらけ」にもなってしまう。このことを理解してITを活用して行く必要があるというのだ。

「5ヵ年計画」という目標を定め、その達成のためにITの使い方を考える。いかに最短で目標を達成できるか、ITはその過程を担うツールである。各自、各部署がこれを理解して、オプコは「高付加価値、高機能、低価格」の製品供給に邁進してゆく。

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