第39回 株式会社 平川製作所

株式会社 平川製作所 代表取締役社長 平川 幸治 氏 代表取締役社長 平川 幸治 氏

株式会社 平川製作所

所在地

大阪府大阪市生野区巽北4丁目9番2号

TEL

06-6751-0232

FAX

06-6751-0235

担当者

山下 典夫

事業内容

精密切削部品の製造 熱処理、研磨、表面処理等の一貫生産。主要品目:自動車部品,産業機器部品,弱電部品,医療機器部品

精密旋削加工の高効率生産

平川製作所は、大阪府大阪市生野区に位置し複雑・精密を得意とする、旋削部品加工の専門メーカーである。同社の物作りに関する熱心な取り組み、そして、インターネットを活用した積極的な営業活動に関しておはなしをうかがった。
同社の創業は1959(昭和34)年大阪市東成区において現会長平川幸一個人創業された、その後1969(昭和44)年法人に改組、翌年現在地に本社移転、1981(昭和56)年には第二工場を建設をするなどして、順調に業績を展開していっている。
当初は弱電部品、産業器機部品をはじめ、医療機部品向けの製品が主であったが、近年では自動車部品、特に直噴エンジンの燃料噴射装置部品等を手掛けている。

CNC複合旋盤機のスイスターン機能を用いて高精度な加工に成功

同社の得意とする加工分野は、CNC複合旋盤を用いた精密旋削加工である。平川製作所では通常の旋削加工とは異なり、CNC旋盤機にスイスターン機能を付加して芯ブレが発生しやすい「細長いワーク」の加工も、回転中にワークが安定している「ガイドブッシュ付近」で行なえるため、「高速・高精度な生産」を可能にしている。また、背面加工、フライス加工、ホブ加工などのミーリング工程を一度に行なうことで、「高効率な自動無人運転」を実現している。

また、より高精度な品質が求められる製品にはチャック精度が高く、サブミクロン指令が可能な、「くし刃型超仕上げ旋盤」で、内径・外径の、真円度や円筒度を、5ミクロン以下に制御しており、材料の自動供給装置によって、24時間生産にも対応している。

各工場には、所狭しとおかれた170台の旋削機械が自動無人運転されている様はまさに圧巻で、社長のお話しによると数十万ロットの量産に対応可能であるということであった。

ISO9001とISO14001を取得して社内の意識が変わった

同社の検査工程では、輪郭形状測定器、表面粗さ測定器、投影機、3次元測定器などで、厳密な寸法測定を行っている。また、外観や所要箇所の全数検査、超音波全数検査機などを用いて、ミクロンオーダーの高精度部品に対して厳しい品質管理の目を向けている。

品質管理の意味でISO9001、また環境に配慮したモノづくりを目指すために、ISO14001を取得している。当初はISOの効果に疑問をもっていた社内も、次第に品質管理は会社自体の体質強化であることを理解するようになり、結果として導入して成功であったという。成功であったと感じている最大の理由は、これまで品質管理に関して明確な基準はなかったが、現在では明確な基準をもって品質管理に取り組めるということを社員、一人一人が実感していることだという。

インターネットから始まった取引が主要取引先の半分を占めるまでに

同社がインターネットに興味を持って、自社のホームページを持ったのは5年前の2000年からであった。製造業としては早い段階でホームページを持っていたといえる。当初はインターネットのホームページを通じての引き合いはほぼゼロであった。しかし、ホームページにいままでの実績や設備情報を掲載させ、掲載する内容を充実させてきたことにより、徐々に引き合いが増え始め、2002年からNCネットワークのエミダスパートナーに登録し引き合いが増えてきた。

具体的なインターネットからの引き合いは月間平均10件~15件であり、その中で見積りまで到達する会社は月に4件~5件である。現在の主要取引先が30社の中で、新規にインターネットからはじまったお客様は12社であるので約半分がインターネットをきっかけとした取引先であるという。この数字を見ただけでも、同社のインターネットに対する前向きな姿勢が感じられる。

徹底的に管理された品質管理の現場・所狭しと配置された170台の自動化されたラインの現場と、平川社長のインターネットを使った営業に大きな望みを抱いている発言を聞くと、同社は上手にリアルとネットを活用して、旋削部品加工という分野での大きなポテンシャルを持っている会社であると痛感した。

株式会社エヌシーネットワーク/三木

株式会社 平川製作所

工場情報はこちら

新規会員登録