第42回 株式会社 三松

株式会社 三松 常務取締役 田名部 徹朗 氏 常務取締役 田名部 徹朗 氏

株式会社 三松

所在地

〒818-0013 福岡県筑紫野市岡田三丁目10番9号

TEL

092-926-4711

FAX

092-926-2048

担当者

石田 重美

事業内容

薄物板金加工・設計・加工・溶接・塗装・組立までの一貫生産設備を持つ、小ロット製造代行サービス

三松は「どんなわがままにもお応えする」をモットーに、0・04ミリの超薄物から22ミリまでの板金部品加工をベースに機械装置の設計・アッセンブリーまでを少ロット対応で行う一貫生産の会社である。

「大型」から 「超微細加工」までの板金をフルカバー

昭和47年の設立以来、三松はシートメタル(薄物板金)をベースに各種装置の部材加工、アッセンブリーを行ってきた。「品質にこだわる」「納期をきちんと守る」といったごく当たり前のことを頑固なまでに継続してきた同社は、その地道な努力の結果、現在の得意先は350社を超える。

同社のモノづくりの大きな特徴は、対応できる板金加工の幅広さである。たとえば、トルンプ社製の大型パンチレーザー複合機を導入して、大型の板金加工に対応できる体制を整えている一方で、MERC(マーク)加工といわれる、板厚0・04ミリ~0・8ミリの各種板材をミクロン単位で超微細打ち抜き+成形加工できる加工機を2台導入し、電子部品分野での超微細板金加工にも挑戦している。現在ではこの2台の加工機は、ほとんどの時間が埋まっているという。

進歩をやめない、ネット営業進化系

田名部徹朗常務によると、ネット経由の案件で、実際の受注につながるような引き合いがあったのは、ここ2、3年であるという。

2003年には、インターネットで自社技術を動画によって公開する「技術動画」を導入。ネット経由の動画で、同社の持っている加工技術を広く公開した。

さらに2005年からは「エミダス・プロ」に加入、アクセス数の目安になるエミダス・ランキングでもそれまでは30位程度だったが、導入後は、常に上位3位以内にランクされるようになった。

その結果、ネットを通じて、取引に至った大手のメーカー3社からの合計受注金額は年間で約5千万円程度になるという。ネット経由での売上はまだ全体の数パーセントにしか過ぎず、将来的にはこの割合を30パーセント程度に引き上げてゆきたいと考えている。

三次元CADとネットの相乗効果で距離を越えたモノづくり

ネットだけではなく、モノづくりの本質に対する投資の手も緩めてはない。実際に2004年にはSolidWorks社の三次元CADを全面導入したことにより、顧客との打ち合わせの回数も少なくなり、結果として設計変更などに伴うミスも激減し、納期短縮と、コストダウンに大きく貢献したとのことである。

現在、三次元CADとネットの相乗効果で2004年以降に新規受注を獲得した客先に関しては、約3割は東京近郊の企業からということだ。

これらの新しい取り組みにプラスして、今後は、風力発電・ソーラ発電などの、環境分野にも積極的に参入していきたいという。

「九州にこんな会社があるということをわかっていただければ、受注のチャンスは十分にある」と胸を張る田名部常務の言葉に、モノづくりの基本である「品質」「納期」を大切にしつつも、常に新しいものにチャレンジする同社の意気込みを感じた。

編集部/三木康司
写真/引地信彦

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