第81回 株式会社ホリコー

株式会社ホリコー代表取締役社長 堀 隆一 氏 代表取締役社長 堀 隆一 氏

株式会社ホリコー

所在地

東京都西多摩郡瑞穂町二本木543

TEL

042-556-2221

FAX

042-557-1950

担当者

山田 由三

事業内容

絞り、板金試作品製造、絞り金属プレス金型設計

自動車部品や航空機部品加工で培ったプレスの深絞りと板金の技

日本の自動車メーカーを中心に広がる海外進出。
ホリコーの技でジャパンブランドである高付加価値なモノづくりに貢献していく。

プレス板金メーカーの技術開発

ハイテン材(高張力鋼板)やステンレス、アルミなどの難成形材の曲げ・絞り・溶接加工を得意とする株式会社ホリコー。

強みは、プレスの深絞り加工であり、主に自動車部品や航空機部品の試作から量産までの一貫生産体制を築いてきた。その中で自社の開発テーマを持ち、特にプレス金型の設計製作を内製化し、プレス成形方法と金型構造の最適化に取り組み業績を上げている。現在も国の補助事業を活用して、冷間プレスによる超ハイテン材の成形精度向上について研究を進めている。

近年、国内の厳しい衝突安全性に関する規制、そして省エネ・化石燃料消費削減と温室効果ガス削減の規制への対策として、国内自動車メーカーを中心に、ハイテン材を採用する傾向にある。ハイテン材の成形では、スプリングバック(材料を曲げて成形する時、成形後に金型から材料を離すと、材料の性質上、元の形に戻ろうと若干変形する現象)を加味した金型設計と成形がポイントである。また、乗用車の量産前の最終評価に使用される試作乗用車の部品を製造するため、客先のスケジュールに合わせられるかどうかが重要になってくる。そこで、これまでのハイテン材加工の実績から短納期、かつ複雑形状の試作品をスピーディに製造できる同社の対応力が評価されている。

今後も、さらに精度・難度の高い成形と加工時間の短縮を目指す。メーカーが行う設計段階からかかわれる機会を増やし、トータルで設計から製造までメーカー側と一緒になって考えられる体制を作っていく。

社内体制の確立

代表取締役社長の堀隆一氏には入社した当初から続けていることがある。それは、同社の組織づくりとひとづくり。父である前社長が高い技能を持つ職人であったため、当時の同社は個人プレーに長けた集団であったが、入社した頃からチームプレーの必要性を感じていた。28歳で入社した1995年から2000年にかけて、試行錯誤しながらも組織づくりとひとづくりを進めていった。

現在、製造現場では十数人のグループを1ブロックとして、①金型・治工具の製造、②試作(プレス、板金)、③量産(プレス、溶接)、④航空機部品製造の4つのグループに加え、品質管理や経営管理部門の体制が整っている。また、熟練した職人に加え、若い人を積極的に採用して製造現場の若返りを進めている。基本教育の充実に取り組む一方で、「プレスの技術は教えるものではない。習うより慣れろ」という堀氏は、職人の技術者を大切にしつつも「メードバイジャパニーズを世界に売り込む」を中長期方針の1つに掲げ、若い人の創造力に期待している。

海外市場とのかかわり

最近のホリコーにおける環境の変化と言えば、海外市場とのかかわりである。客先が海外進出するのに伴い、同社もその対応に迫られるのは間違いない。得意先である自動車業界の国内市場は縮小傾向だが、海外市場はますます増えていくと予想される。その流れで、メーカーが海外に工場を立ち上げる際、ライン立ち上げ前に必要な試作部品の変形修正のために同社の板金職人を海外工場に派遣してほしいという依頼が増えている。これは、同社の技術力を買われてのことだが、この先もそのようなニーズが増えてくる可能性がある。

今後は技術者の育成も含め、海外市場との関係をさまざまな形で検討していく一方、国内では、最終製品の付加価値となる部品を製造するため、難成形品の加工技術開発を進めていき、その成果をメーカーのプライベート商談会や専門誌、インターネットでPRすることにより、新規案件と取引先を拡大していく。

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